場合によっては、「労災」にも認定してもらえます?
コンピューターを多用の人や、繰り返しの動きが多い作業をする人たちは、みんな肩こりの予備軍でしょう。
産経新聞 5月23日(木)11時24分配信
◆意識的に動かす
厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成22年)によると、「自覚症状の状況」として、肩凝りは女性の1位(人口1千人当たり129・8)、男性は腰痛に次ぐ2位(同60・4)。
「パソコンを使ったデスクワーク、携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)の操作、料理など家事の際の姿勢など前かがみの姿勢が増え、それが肩凝りにつながっている」
整形外科医で国立スポーツ科学センター(東京都北区)研究員、中村格子さんはこう説明する。
鎖骨とつながっているだけで浮いているような状態の肩甲骨。肩と腕をつなぐ役割を持ち、前後や上方・下方回旋(ぐるぐる回ること)など自由に動くのが正常な状態だ。僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)などの周辺の筋肉がそれらの動きを実現している。
ところが、前かがみの姿勢が多いと肩甲骨が開いて体が内側に巻いた状態が続き、「肩甲骨がさび付いたように動きが悪くなる」(中村さん)。肩甲骨周辺の筋肉にも大きな負担がかかっており、血行が悪くなり、痛みのもととなる物質がたまり、肩や背中の凝りの原因になるという。
この状態だと姿勢も猫背となり、呼吸も浅くなる。心身の不調に加え、顔や体がたるみ、全体的に「老けた」印象となりがちだ。
慢性的な肩凝りに悩まされている場合、「肩甲骨の状態」を確認しよう。一つでも当てはまる場合、動きが悪くなっている可能性があり、中村さんは「肩甲骨周辺の筋肉を意識的に動かすことが重要」と指摘する。
◆血行をよくする
ただ、凝り固まった筋肉を無理やり伸ばすと痛みが強く出る恐れがある。このため、まずは血行を改善して筋肉をほぐす。具体的には、(1)ぬるま湯(39~40度)に15分程度つかる(2)カイロや蒸しタオルなどで肩や首周りなどを温める-などのほか、市販の磁気治療器の活用も有効だという。
その後、肩甲骨周辺の筋肉の筋力強化に取り組む。中村さんは、簡単なエクササイズの方法としてインナートレーニングとタオルプルダウンを勧める。仕事中などに「少し肩がこわばってきた」と感じたら痛みのない範囲で行う。ただ、肩凝りには頸椎(けいつい)の疾患などの病気が隠れている場合もある。「しびれがあったり痛みが強かったりするときは専門医を受診する」(中村さん)ことも重要だ。
■「肩甲骨の状態」チェックリスト
- 猫背と言われることが多い
- ブラジャーのホックを前側で付けて後ろへ回すことが多い
- いつも背中の真ん中辺りに凝りを感じる
- 背中の対角線上で自分の左右の手をつなげない
- 直角に曲げた両腕の肘同士を付けて、水平以上の高さに上げられない
- 直立の状態で体の後ろで両手を握り、握った手を腰骨の高さまで上げられない
0 件のコメント:
コメントを投稿