2013年5月20日月曜日

都営バス24時間化「新しい需要が発生する」

 長文で難解なものですが、これだけ難しいことでもあります。
 考え出した人は、素晴らしくいいことだと思っていたかもしれませんが、立場を変えれば、真逆の見方をしてしまうようです。
 個人的には、都内は早朝(?1,2時から4,5時まで)の間はゴーストタウンになると言われているので、都内の利用客はそれほどもないような気がします。それこそタクシーだけで十分でしょう。むしろ、近郊に出るか、近郊から都内に向かう人の方は断然多い気がします。
 そうすると、「関東圏バス・鉄道24時間化」までしないと、あまり意味がないような気がします。

 --都営バスの24時間化について、都民にとってのメリットをどう考えているか

 「ひとつは、公共交通機関が動くことで新しい需要が発生するということがある。すでに乗り遅れた人を救済するというイメージではなく、いろいろな産業がそこによって起きていくということ。それから、海外に駐在している人は、向こうが夜でも東京は昼間だったら、それに合わせてタイムシフトして仕事をこなしたりしているが、逆に日本が夜であっても、向こうが昼間だという時には、タイムシフトやって仕事したりしている。つまり、地球は24時間、どこかの市場が開いているということで、グローバル化に対応できるような交通体系が必要であろうと。それともうひとつは、今回は六本木から渋谷までだが、渋谷から午前1時にバスが出ている。あるいは、京王と東急のバスが、やはり1時20分とか、1時30分とか、何本か出ている。そういう形で24時間にまでは至らないが、電車の時間より延長してバスが動いている。そういうサービスを行っている。そうすると民間がそういうサービスを行っているときに都心をエリアとする東京都の路線バスがそれに対応することも必要になる。それから、これは常識として知っておいてほしいが、バスはニューヨークでは24時間当たり前、ロンドンでも同じ。パリでもベルリンでも24時間のバスが動いている。東京都だけはなぜか、これはいろんな規制とか、あるいは新しい動きをしないというか、グローバルな時代に提案を誰もしなかったということで、世界の都市に後れを取っていると思う」

 --タクシー業への圧迫になるとの懸念はないか

 「タクシーのお客さんが逆に増えるかもしれない。さらに、仕事が24時間いろんな形でそれぞれの需要が増えていくとね、仕事の。テレビは飲み屋さんの例だけしか出さないから。みんなお酒飲んでいるわけじゃないからね。仕事やったりして、それでタイムシフトでやって、フレックスタイムでやって、いろんな形でやっている」

 --東京の公共交通機関は24時間に向けて動いていくのが望ましいということか

 「インフラがやれる範囲でみんなやっているということ。先ほど言ったように、ニューヨークは複々線だから地下鉄を24時間できる。そうじゃない所はできないが、バスは24時間にするとか。先ほど挙げた有名な都市はみんなやっている。当然、東京がやらない理由はない」

 --いま現在の実績を見ても、夜間の方が利用者は少ないが

 「終電満員じゃないの」

 --終電に合わせてみなさん帰るが

 「だから終電が朝のラッシュみたいになるでしょ。こんなのおかしい。普通じゃない。普通はもっと分散して、帰れる時間があるはずです。日本独特の終電現象ですよ、混雑しているというのは」

 --六本木と渋谷に限定したが、将来はもっと広げるのか

 「まず、六本木と渋谷でやってみる。もちろん収支の問題もある。まずやってみて、その結果、ほかの路線をどういうふうに拡大するか考えるということになる」

 --新宿と六本木をつなげることは考えないのか

 「まずやってみて、それがいいかもしれないとなれば、そういうことも考えられるし、あまりいい結果が出なければ、そこまで考えない」

 --明日からゴールデンウイーク。国内旅行客数は過去最大になるとの予想で、東京への観光客数が前年の2割増しという。観光客増への感想は。観光都市としての東京を今後どうしていきたいか

 「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、いろんな準備をしていかなければいけない。そういう意味で東京の持っているホスピタリティ、おもてなしは海外の観光客だけではなく、国内の観光客にも味わっていただきたい。そして、東京を目指して連休で来る人もいるが、東京から出ていく人もいる。そういう意味で東京はハブ、羽田も成田も含めてハブ空港であり、同時に東京駅、新幹線、電車のハブでもある。そういう意味で、ハブ的な機能を東京は常に持っている。ですから、人はたくさん集まり、たくさん出ていく。情報がたくさん集まり、新しいビジネスも生まれてくる。そして新しい流行の発信、新しい産業の発信が東京から生まれていく。東京が日本の心臓として、より強くなればなるほど全国に送る血液の量も多くなると思っている」

 --28日に政府が主権回復の日の式典を開催する。沖縄は一部反発もある。式典についての受け止めは。知事は出席するのか

 「式典は出席します。当然、日本がサンフランシスコ条約によって主権を回復した。これは大変なことなんですよ。僕の本『東条英機 処刑の日』を読んでもらえば分かる。徹底的に日本軍が解体され、そしてマッカーサーの統治で日本が変わった。いろんな意味で。そして、マッカーサーはずっといて、たまたま朝鮮戦争で核兵器使うとか、そういうことを言ったことによって、当時のトルーマン大統領に解任され、そしてリッジウェイという、次の司令官が来て、それが約1年。それで1951年の9月8日にサンフランシスコ条約を締結して、普通だったらその半年後の4月8日が公布ということになるが、4月28日という微妙な日にしたということが、ここがやっぱりちょっと考えると非常に興味深いですね。昭和天皇の誕生日の前日ですよ。僕は自分の本で書いたが、昭和天皇の誕生日、昭和21年の4月29日に東京裁判のA級戦犯が起訴された。そして翌年の昭和22年の5月3日に、これは東京裁判が開始された日だが、その翌年の22年の5月3日に憲法記念日にした。そして翌昭和23年の12月23日、当時の皇太子殿下の誕生日に東条英機を処刑した。こういうひとつの占領軍の工程表というのがある。そういう頚木(軛、くびき)から解放されたのが、まさに1952年の4月28日。しかし、その日もある意味では、計算された日であったかもしれない。そういうことで日本が国際社会に初めて、つまり長い占領下から脱して、主権を回復した日だから、これは記念すべき日だと思う。もちろんその当時、沖縄も復帰できればよかった。同時にね。それができなかった状況が当時の日本の置かれた現実だった。したがって、佐藤栄作総理大臣の1972年の5月15日に沖縄は復帰した。もちろん、まだ今の基地の現状を見れば、日本は完全に本当に独立国家と言えるのかどうかという疑問は常に生じているわけですね」

 --先週19日にワシントンで麻生副総理が講演した。その中で、水道はすべて国営、市営、町営でできていて、すべて民営化すると発言した。知事の見解を

 「麻生さんがどう言ったか、僕は聞いていない。ただ水道は、東京水道は公営企業として、公営であっても企業なんです。ですから、経営がきちっとしてなければいけない。つまり一般会計から補助金をもらわなくても経営できなければいけない。独立した公営企業。都営地下鉄も公営企業。公営企業というのは、公営であろうが企業なんですね。だから簡単に民営化とか、いろんな言い方をしているが、その民営化と言っている人がどの程度のことを民営化と言っているかがよく分からない時が多い。僕は道路公団を民営化したが、その民営化について、あれは完全民営化ではないとか、いろんな言い方がある。その言い方もそれぞれみんな考え方が違っていて、どの民営化がどういうことなのかとか、それは千差万別にいろいろある。ですから、一般論で何か言っているということに過ぎないと思う。要は、収支をきちっとしなさいと。東京の場合は、それは企業経営として成功している。しかし、地方の水道事業は厳しい状況にある。だからこそ今、フランスの民営化会社がどんどん日本に進出し、どんどん買収されている。一部ね、そういうことがある。そういうことを上手に表現できなかっただけだと思う、麻生さんは」

 --インフラの老朽化対策について。昨日、東日本、西日本、中日本の道路会社3社が老朽化対策で5~10兆円規模の費用が必要と公表した。2050年に無料開放するとした償還計画が厳しくなってくる。当時、委員として民営化に関わられた知事は、今回の結果をどう思うか

 「老朽化対策というのは必要。基本的には料金収入を前提にしながら、老朽化対策を考えていくと」

 --当時、ここまで老朽化の費用がかさむという考えはあったのか

 「建設計画があって、新規路線の建設がかなり昔に比べると減っている。その減っている新規路線の建設費用が老朽化対策に充てられる。なぜならば、今の道路会社は45年間料金徴収権を持っている。すでに料金徴収権を45年間持っていて、まだ残り37、8年。その範囲の中でまず考えることが前提」

 --リプレースについて、売却は難しいという意見があるがどうお考えか。目標の時期はあるのか

 「早いに越したことはない。東京はいま脱原発状態だから、いつ老朽火力発電所が故障するか分からない中で、電力の安定供給の義務がある。一刻も早く市場を活性化し、古いものは取り換える。そういう、その投資をする会社はたくさんあるわけで、その投資が止まってしまってはいけない。東電自身が投資できなければ、別の会社がやればいい。そういうことで、時期はあれだが、昨日も経産大臣に会い、一昨日は改革本部の会合をやり、そういうことをやって、急いでもらうというか、そういうことで、役所は『今年は、来年は、再来年は』という言い方になるから、とにかく少しでも、一刻でも早くやると。前倒しでやってもらいたいということ。とりあえず、役所というのは、ギリギリここまでやるという言い方をする。この年度までにとか。その年度の3月なのか、はじめの4月なのか、全然違うわけだから。そういうことで、できるだけ早くやってもらいたい、やらなければいけない。そのために東京もいろんなアクションを起こしたいと思っている」

 --地方税の偏在是正問題。今週の全国知事会議では有識者検討会による論点整理が示された。都としては、地方法人特別税の廃止などを目指しているが、偏在是正の問題についてはどう見ているか

 「東京の問題は、すでにもう要望としては出している。この要望を7月には出すわけ。前から毎年、毎年やっているわけで、東京以外のことについては特に意見はない」

 --都営交通の24時間化。同じ時期に国からも同じような話が出てきたが、知事から働きかけをしていたのか

 「これから具体的に話をするところであって、まずは、第一歩は渋谷、六本木の24時間のバスをやる。これからもうちょっと特区の問題で詰めていきたい。それからもちろん先ほど言ったように、東京メトロに経営会議の会議を持つことによって、東京の交通体系全体をグローバル化した世界に、東京の都市力を高めるためにどうするかという課題を解決していきたいと思っている」

 --24時間化。羽田空港はすでに早朝、深夜に外国の便が到着している。公共交通機関で24時間対応のものはあるのか

 「公共交通機関とはかぎらない。どういう所が経営するかはともかく、それに応じたバスのサービスは提供されるべきでしょう。いずれね」

 --日本は長時間労働をよしとする風潮がある。24時間化によって、終電で帰るというのができなくなるとの懸念もあるが

 「それはね、非常に日本人的質問だね」

 --現実にそうだと思うが

 「ロンドンに行かれたことはある? あるでしょ。そうすると夜10時まで明るいでしょ。そうすると会社終わって、夕方5時、6時に終わって、そこからテニスをやったり、オペラを見に行ったり、新しい別の空間がもうひとつできる。だから仕事はもう早く終わり、レジャーであったり、アートであったり、あるいはいろんな趣味をやったり、スクールに通ったり。そういうことをやることによって需要が増えていく。今のライフスタイルでは内需は増えない。ですから、考え方や意識を変える。それも含めての24時間だということ。夜働いている人も、昼働いている人もいればいいし、昼間にスポーツをやる人もいればいい。いずれにしろ、夜10時まで明るいと全然違う。そういう世界ができあがった中で、よくブロードウェーでも始まる時間が遅い場合もある。終電で帰れない時間でもやっている。そういうアートなんかは夜やった方がいい場合もある。それから夕方の食事の時間をゆっくりすると。ただ、酒飲んで、くだまいているだけじゃしょうがないね。考え方を変えなければいけない」

 --公営水力発電所の自由化問題で、東電との売電契約の途中解約に絡む違約金が52億円から下がれば、全国的な突破口になると話されていたが、他の自治体に働きかける考えは

 「働きかけないと思う。なぜならば、一昨日の東電の改革本部との会合で、明確にこれは、52億円という金額は改革本部を通過して出てきた数字ではないということだった。東電も古い体質の縦割りだから、そういう所から出てきた数字だと。だから、その金額は、あることは多少あるけど、ほとんど話題にならないくらいの金額になる。そういう話はできているので、これを他の9都県市、神奈川県や埼玉県や、そういう周辺の県に、5月に9都県市首脳会議があるから、そういうところで水力発電の自由化できると、条例をちょっと変えるだけで大丈夫だということを説明する」

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