2013年5月24日金曜日

増える「心原性脳塞栓症」 危険な自己判断

 心房細動しんぼうさいどう、英: atrial fibrillation, af)は心房が細かく動く事で、不整脈の一種だそうです。Wikpediaによると、「本症は心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が不規則な間隔で起こる状態である」そうです。
 また、その原因は「心房筋の機能的、組織学的な変化により興奮伝導のばらつきが生じ、これが伝播方向の異なる複数の興奮波を形成し、それぞれの興奮波はリエントリーと呼ばれる旋回を示しながら興奮間隙を縫うように心房を連続的に興奮させ、心房細動を発生させると考えられている(スパイラルリエントリー)。基礎疾患のない患者の90%以上は肺静脈の期外収縮がトリガーとなっており、カテーテルアブレーションによって治療が可能となっている。逆に心房細動を起こす基礎疾患には心房負荷を起こす疾患(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、心房中隔欠損症)、甲状腺機能亢進症、虚血性心疾患、心筋症、WPW症候群等がある。」とのことです。
 さらに、症状は「心室から送り出される血液の体積が減って心臓の効率が低下するだけでなく、心房の中の血液がよどみ、血栓ができやすくなる。心房細動は、めまいや動悸、疲れやすさだけでなく、脳梗塞(特に脳塞栓症)と心筋梗塞の原因となりがちである。老人に多い」とのことです。

 総じて大分わかりにくい病気のようです。

 Gooヘルスにはもう少し分かりやすい説明はありました。

 心房細動は、心房が1分間に450〜600回の頻度で不規則に興奮し、その興奮波が房室結節(ぼうしつけっせつ)へ無秩序に伝わるために、心室興奮は確実に不規則になる不整脈です。心房細動が絶対性不整脈といわれるゆえんです。
 房室結節の伝導がよければ心室応答数は多くなり不規則な頻拍(ひんぱく)になります。そのため心房細動が始まる時に、患者さんは強い動悸(どうき)と胸部違和感を自覚します。症状の源は脈拍の不規則性と頻脈です。
 心房細動は、期外収縮(きがいしゅうしゅく)に次いで起こりやすい頻脈性(ひんみゃくせい)不整脈で、高齢になるほどその頻度は増します。何らかの原因で心房細動が生じても原因を除去すると心房細動にならない一過性(いっかせい)心房細動、自然に止まって反復する発作性心房細動、電気ショックあるいは抗不整脈薬で元の洞調律(どうちょうりつ)にもどる持続性心房細動、電気ショックや抗不整脈薬で洞調律にもどらない永続性心房細動とに分けられます。
 持続性心房細動の一部と永続性心房細動を合わせて慢性心房細動といいます。
また、症状の現れ方は以下の通りだそうです。
 発作性頻拍と同じように心房細動が新たに始まる時には、突然始まる動悸として自覚されることが多いようです。胸がもやもやする、胸が躍(おど)るようだ、あるいは胸が痛い、めまいがする、というように感じることもあるようです。 
 それでも、その病気になってみないと、何ことはとても想像できないでしょう。

産経新聞 5月24日(金)11時12分配信
25日からは脳卒中週間。寝たきりを含め要介護となる原因の第1位で、家族にかかる負担も大きい。脳卒中の大部分を占める脳梗塞の中でも、心房細動によってできた心臓の血栓が脳動脈に飛ぶ心原性脳塞栓(そくせん)症が増えつつあり、症状も最も重い。

 予防としてはワルファリンなどの抗凝固薬が不可欠だが、薬への不満などから自己判断で服用を中止してしまう人が多い。健康日本21推進フォーラム(理事長・高久史麿東京大学名誉教授)のインターネット調査(4月)によると、中止者の多くが脳梗塞発症の危険性を軽視し、心房細動に対する認識や家族の介護負担に対する意識が低い傾向にあることが分かった。

 東京女子医科大学の長尾毅彦臨床准教授は「心房細動には自覚症状がほとんどなく、薬の効果が実感できないのが大きな要因」と指摘。またワルファリンは定期的な血液検査が必要で、納豆などビタミンKを多く含む食品は食べられない。

 とはいえ勝手に服用を中止してしまうのは非常に危険。「急にやめてしまうと反動が大きく、血液のドロドロが一気に強くなる。やめた直後が一番危ない」と長尾臨床准教授は話す。

 そのような中、近年では新しい抗凝固薬が出てきている。同調査では「抗凝固薬に望むこと」として、「1日1回の服用で済む」「副作用がない」「食事制限がない」が上位に挙がった。新薬はこれらの要望を満たしているものの、薬価が高いのがネックだ。

 長尾臨床准教授は「患者さんの病状やライフスタイルに合わせて薬を選び、適切に心原性脳塞栓症を予防していくことが重要」としている。

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