人間って不思議なもので、世界文化遺産への登録と関係なしに、富士山というものは変わらずにそこにあるのに、「富士山が世界文化遺産に登録されることが確実になる」とだけで、みんなが行きたがるのは、「気のせい」もいいところです。
「世界文化遺産」になったところで、もっと大事にしてあげたくて、富士山をより綺麗にしに行こうとするならわかるが、きっと、「生きている間、何かしらの世界遺産を見に行こう!」と思う人ばかりでしょう。
富士山が世界文化遺産に登録されることが確実になり、登山者や観光客の大幅増が予想される。旅行会社は新たに観光ツアーを企画するなど「世界遺産特需」に期待する。だが、世界遺産に登録された他の地域では観光客の急増で環境破壊などの問題が浮上した例もあり、富士山の地元自治体も対策に頭を悩ませることになりそうだ。
【登山規制はどうなる】富士山:夏以外の登山規制 静岡、山梨意見合わず
「今年こそ夢をかなえましょう!」。旅行会社「クラブツーリズム」(東京都)はこんな売り文句でホームページに富士山登山ツアーを特集している。世界遺産への登録勧告が決まってからアクセス数が増えたといい、広報担当者は「大型連休が明けてさらに増えそう」と期待する。
登山や周辺観光の多様な富士山ツアーを企画してきた「はとバス」(同)も世界遺産効果は大きいとみる。「中高年や女性の登山ブームがあり、登山者は増加傾向だったが、今年はさらに伸びるだろう」(同社広報)
富士山周辺の遺跡や神社も世界遺産に登録されるため、両社ともこうした「構成資産」を巡るツアーも新たに企画する予定という。実際、世界遺産登録勧告後の大型連休後半、これらの場所は多くの人出があった。富士山本宮浅間大社(ほんぐうせんげんたいしゃ)(静岡県富士宮市)では4~6日の3日間で昨年より3万人多い計12万人が訪れた。富士講の宿泊所だった御師(おし)旧外川(とがわ)家住宅(山梨県富士吉田市)も3~6日の4日間の来場者は昨年の2.5倍の計133人に達した。
一方、国内の世界遺産では登録後に観光客が急増した例が少なくない。「石見(いわみ)銀山」(島根県大田市)は登録された2007年に前年の約2倍の71万人が押し寄せた。車や大型バスによる排ガスや渋滞が問題になり、現在は途中の駐車場からバスに乗り換える方式に変更した。
1993年登録の「屋久島」(鹿児島県)では登録前の登山者は年間約1万人程度だったが、現在は約9万人で推移。植物類が荒らされる被害や、し尿処置の問題が浮上している。かつては山で埋めていたし尿は人力でふもとまで運んで処理しているため資金不足に直面している。
環境省によると、富士山の登山者は最近の登山ブームもあり、昨年(7~8月)は31万人を超え、05年の集計開始以降2番目の多さ。ただでさえ「飽和状態」といわれる中、世界遺産ブームでさらに増えることは必至だ。
静岡、山梨両県は今夏、マイカーによる乗り入れ規制を強化する。静岡県は県内の3登山ルートのうち、富士宮、須走(すばしり)の両ルートの規制期間を昨年の34日間からそれぞれ52日間、37日間に延長。山梨県も富士スバルラインの規制を15日間から31日間に増やす。これらは登録勧告前から決まっていたが、静岡県道路企画課は「どれぐらい登山者が増えるか先は読めない。規制期間をどう設定するかは今後の大きな課題」と話している。
地元自治体からは、入山料導入による登山者抑制を求める意見も出ており、今後、検討が本格化しそうだ。【三木陽介】
◆世界遺産登録前後の観光客数の変化◆
登録前年・登録年
屋久島(93年) 1万人・8万人(98年)
石見銀山(07年)40万人・71万3000人
小笠原諸島(11年)1万3572人・2万1854人
富士山(13年予定)31万8565人(12年7、8月)・?
※カッコ内は登録年。屋久島と富士山は登山者数。屋久島は推計値。小笠原諸島は当該年度の数
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130511-00000028-mai-soci
2013年5月13日月曜日
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