2013年5月2日木曜日

約400社が乱立する中国スマートフォンメーカー

世界一の人口大国とはいえ、 スマートフォンメーカー数は377社だというのはやはり多すぎますね。その中には孫ないし曾孫コピーは山ほどあるに違いないでしょう。
さすがに商売上手のお国で儲かれば誰でもで手を出したがります。
混戦は暫く続くでしょう。
ーーーーー
ITmedia Mobile 5月2日 17時8分配信

2年前は無名だった「Thl」も今では中国各地に店舗を出店する

山根康宏の中国携帯最新事情:
 中国工信部の報告によると、2012年末時点の中国国内スマートフォンメーカー数は実に377社だったという。年間1000万台以上を売り上げるメジャーメーカーが規模を拡大する一方で、10万台規模の零細メーカーも3G加入の急増に乗じて販売数を伸ばしている。中国のスマートフォン市場は成長が競争を上回っており、新規参入メーカーの数は今後も増えていくだろう。

【山根康宏の中国携帯最新事情: 約400社が乱立する中国スマートフォンメーカー 】

 中国の繁華街を歩くと、無名なメーカーが店舗を開設して新製品のキャンペーンを行う光景を毎月見かけるようになった。中国では2012年に入ってから新規参入メーカーが増えており、その多くはスマートフォンを手がけている。しかも、既存の中国大手メーカーのモデルと同じスペックで日常利用する分にはまったく問題ない製品を次々と市場に送り出している。

 中国でも海外メーカーの製品を数多く販売しているが、中国メーカーのシェアは年々郄まりつつある。確かに、中国国内の携帯電話、スマートフォンのシェア1位はどちらもSamsungで、ほかの海外市場と同様、中国でも強い。しかし、2位以下の顔ぶれを見ると、ほかの国とは大きく状況が異なり、中国のメーカーがずらりと名前を連ねる。すでにこの連載で新興勢力となる中国の有力5社「中華酷聯海」を紹介したが、それに続く中国メーカーが次々と参入している。

 中国の調査会社「iiMedia Research」の報告によると、2012年における中国国内スマートフォンの総販売台数は1億6900万台だった。メーカーの順位とシェアは1位がSamsungで22.5パーセントだが、2位はLenovoで10.7パーセント、3位がHuaweiで9.9パーセント、4位がCoolpadで9.5パーセント、5位がZTEで8.9パーセントと続き、2位から5位を中国メーカーで占める。Appleは7.7パーセントで6位、HTCは4.7パーセントで8位、Nokiaは大きく順位を落とした11位で3.1パーセントとベストテンの圏外になった。一方で、GioneeやXiamiといった中国メーカーが10位内に入るなど、海外メーカーのシェアを着々と奪っている。

 このように中国メーカーが躍進する中国市場において、何社がスマートフォン製造を手がけているのだろうか。中国工信部の報告によると、2012年末時点でスマートフォンを製造する中国国内メーカーは実に377社にも達している。この数には、いわゆる山寨機と呼ぶネットワーク認証を受けない未認可の製品メーカーを含めていない。正規のメーカーに山寨機メーカーを加えると、400社以上が存在するという。

 販売価格帯と販売シェアをiiMedia Researchの報告で確認すると、1000元から2000元(日本円で約1万6000円から3万2000円)の「1000元スマートフォン」が最も多く、販売数全体の42.9パーセントで7250万台となる。次いで1000元以下の製品が34.9パーセントで5898万台、2000~3000元の製品が14.6パーセントの2518万台と続く。このように、中国におけるスマートフォンで最も売れているのはミドルレンジ以下の普及価格帯から低価格帯のモデルだ。

 iPhoneの中国における実売価格は、iPhone 4 8Gバイトモデルが3008元、iPhone 5 16Gバイトモデルが5288元と、販売価格帯的には中国市場販売台数シェア8.3パーセントを占める"高価格帯"に属している。今後もiPhoneは販売数を伸ばすだろうが、低価格帯で製品がひしめき合う中国市場で大幅に数を伸ばすのは難しそうだ。

 約400社も存在するという中国のスマートフォンメーカーにはどのような顔ぶれがそろっているのだろうか。中国最大手のオンライン携帯電話販売サイト"北斗星携帯網"のWebページには、中国で代表的なメーカー名として58社を並べている。この中から、AppleやSamsungなどの海外メーカーを除外すると、中国メーカーとして42社が残る。この中にはスマートフォンを手がけていないメーカーもあるが、それにしてもこれだけでもかなりの数だ。

●オンライン販売に注力する中国スマートトフォンメーカー

 ただし、その中で年間1000万台以上を販売する大手は数社のみだ。例えば、Coolpadの2012年の年間販売数は2000万台を超えており、向こう3年以内に世界シェア3位を目指すという壮大な計画を掲げている。LenovoやHuawei、ZTEも中国のみならず海外での拡販を進めており、これらの上位グループは豊富な製品ラインアップを武器に中国とグローバル市場で順調に販売数を伸ばしていくだろう。

 それに続くのが家電メーカーやAV機器メーカー、携帯電話専業メーカーだ。Haier、Haisense、Konka、TCL、Malata、Vivo(歩歩高)、Geoneeなどは、既存製品のブランド力と量販店での知名度が高いことに加え、ミドルレンジクラスの1000元スマートフォンを中心とした製品展開で、通信事業者を介した販売も行っている。このグループに入るメーカーの製品は、中国を訪れた観光客でも利用しやすい市内の携帯電話ショップで見かけることがあるだろう。

 中国国内では無名の零細メーカーも続々とスマートフォン市場に参入している。中国工信部の報告では、中国スマートフォンメーカー377社のうち、全体の約6割、246社の年間販売台数は合わせても10万台以下に過ぎない。月産8000台程度のメーカーがひしめき合っていることになる。このようなメーカーは中国全土に展開する量販店や移動体通信事業者経由での販売が難しく、OEMや海外輸出なども手がけて細々と経営を続けているところが多い。加えて、山寨機メーカーのように一発勝負で市場に参入するメーカーも増えている。

 全国規模の量販店や移動体通信事業者での販売が難しい新規参入の小規模メーカーが力を入れているのがオンライン販売だ。中国のオンライン販売市場は年々右肩上がりに伸びており、中国iResearchの調査によれば中国国内におけるネット販売の2012年取引規模は8.1億人民元と前年比約30パーセントも増加している。

 オンライン販売サイトは「Taobao」も手がけるAlibabaの「Tmall」が市場シェアの半数を握っているが、家電量販店の「Suning」、海外資本のAmazon、そして「京東商城」など多数のB2Cサイトが競うように取扱商品数を増やして売り上げも伸ばしている。ユーザーがオンライン販売でよく購入するのはアパレル製品と家電、デジタル製品で、この2者で全体の半数近くを占めているという。携帯電話ももちろんオンラインで購入可能だ。

 新規メーカーはそれら大手のB2Cサイトに自社のオンラインモールを設置して自社製品を販売するほか、自社のWebページを使っても積極的に販売している。この動きは大手メーカーもすでに始めていて、オンラインで優先して製品を販売するメーカーもある。例えば、Huaweiは6.1インチの大型ディスプレイを搭載した「Ascend Mate」を実店舗に先行してオンラインでの販売を開始した。

 少数生産のハイスペック製品で成功したXiaomiもオンライン販売を効果的に利用している。Xiaomiの新製品は、Webページで発売日と発売台数を告知して、オンラインのみで販売する。その情報は口コミで広まり、販売初日はいつも数分で売り切れるほどだ。ほかにも、親交メーカー4月13日にオンライン販売を始めた、クアッドコアで動作クロック1.2GHzのCPUを搭載しながら699元という低価格を実現した新興メーカーの「小辣椒M1クアッドコア」も20万台を一瞬で完売した。

 これらは製品として優れているからユーザーが注目するのであって、単純に価格が安いだけの製品ではここまで人気は集まらない。少数精鋭のハイスペックモデルに特化したメーカーであれば、オンラインショップにおける限定販売の効果は高い。

 メーカー関係者の話では、携帯電話の販売ルートは全体の9割が実店舗で、オンライン販売はまだ1割程度に過ぎない。これに対し、Xiaomiの販売台数は、7割をオンライン、3割が実店舗で占める。短期間で急成長したXiaomiの成功例で分かるように、今後販売数を伸ばしていくためにオンライン販売の強化が各社とも必須だろう。大手メーカーは量販店、事業者店舗、そしてオンラインという3つの販売チャンネルをそろえ、中小メーカーや新規参入メーカーはオンライン販売を強化する動きがこれからのトレンドとなるはずだ。

 中国では、ここ1年ほどにおいて、各社で毎月の3G新規加入者数が300万人前後で推移していた。圧倒的な加入者数の中国移動では、2Gから3Gへの移転が急速に進み、2013年に入ってから1月に700万人、2月に900万人、3月には1000万人弱と3G加入者を急速に増やしている。そして、3Gの新規加入者は2Gのフィーチャーフォンから3G対応のスマートフォンに買い換える。3G加入者はまだまだ増えるだろうから、3G対応スマートフォンがいくらでも売れる状況は続きそうだ。市場に参入するスマートフォンメーカーの数もさらに増えていくだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130502-00000033-zdn_m-prod

0 件のコメント:

コメントを投稿