産経新聞 5月24日(金)11時2分配信
キウイフルーツ1個(約100グラム)で、バナナ2本分の食物繊維(2・5グラム)と温州ミカン約3個分のビタミンC(69ミリグラム)を摂取できる。ニュージーランド産キウイフルーツの輸入、マーケティングを手掛ける「ゼスプリ インターナショナル ジャパン」(東京都千代田区)によると、ビタミンやミネラル、食物繊維など17の栄養素が、主な果物の可食部100グラムに含まれる割合を表す「栄養素充足率スコア」(米農務省公認)でも、キウイはトップの比率を示した。
つまり、キウイはカロリー摂取が低い割には、必要な栄養素を取れる高密度の栄養フルーツというわけだ。
医学博士で管理栄養士の本多京子さんは、「体によい食事を取っているつもりでも、必要な栄養素は不足しがち。メタボが問題視される一方で、あらゆる栄養素が足りない人も少なくない」と、低栄養状態の新型栄養失調が“不腸”を助長する可能性を指摘。その上で「体調を整える栄養素のビタミン、ミネラル、食物繊維の栄養素全てを効率よく摂取できるフルーツがキウイ。栄養バランスを手軽に改善する手立ての一つ」と推奨する。
低栄養状態が続けば不腸に拍車がかかり、便秘や下痢を招く。食が細くなって食事作りも面倒という高齢者や、野菜も果物も食べず、運動もしていないのに、その自覚すらない若い女性がとくに要注意だという。
ゼスプリ インターナショナル ジャパンも、キウイの栄養価の高さに着目。おいしいだけでなく、「体によいフルーツ」と日本の消費者に伝えることに主眼を置いている。
キウイを2週間食べ続けて、おなかの調子の違いを実感してもらう昨秋のキャンペーン「14日間チャレンジ」では、「肌の調子がよくなった」「便秘が治った」の感想が多く寄せられ、ダニエル・マサソン社長は「キウイは体調管理に役立つ優秀なフルーツ。その良さをこれまで伝え切れていなかった」と強調。非加工果物の消費量でキウイが占める割合は1%未満だが、「栄養価の高さを伝えれば可能性は計り知れない」と話す。
同社はニュージーランドで農家約3千軒と栽培契約を結び、50カ国以上に輸出している。通常のこぶし大サイズの約33個入り(約3・6キロ)を1トレーとして換算すると、今年、日本には約1700万トレーが輸入される見込み。
グリーンキウイのさわやかさとゴールドキウイの甘みを“いいとこ取り”したという新品種「スイートグリーン」も含まれる。5年以内に日本への輸入を2千万トレーに増やすのが目標。輸入品全般にいえるが、このところの円安が悩みの種だそうだ。
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