歴史を辿ると、ビデオ戦争のベータ対VHS、通信方式のCDMA2000対W-DCDMA、メモリカードのSD対メモリスティック(とその他)など等、どの分野にしても、影しい競争と戦いがありました。違う形式の方法が開発されて、激しい競争が繰り広げられて、ユーザにその選択が迫れることになります。結局被害を蒙るのはエンドユーザで、メーカーだって楽ではありません。
今のウェブブラウザーでも、同じことは繰り返されています。
自由競争というのはメリットも多分にありますが、そのデメリットをどうにか改善する努力も必要でしょう。
米GoogleとMozillaが4月3日、それぞれ新しいWebブラウザエンジンに関する発表を行った。
Googleが発表した「Blink」は、WebKitをベースとした新しいオープンソースのレンダリングエンジン。Google ChromeはこれまでWebKitを採用してきたが、Chromiumでは他のWebKitベースのブラウザとは異なるマルチプロセスアーキテクチャを採用しており、複数アーキテクチャのサポートが原因で、WebKitにとってもChromiumプロジェクトにとっても複雑性が増し、革新のペースが鈍っていたと説明する。
そうした状況を受けてGoogleは、「新しいレンダリングエンジンの登場がWebに重大な影響を及ぼしかねないことは認識している。しかし複数のレンダリングエンジンの存在は、複数のブラウザの存在と同様に、イノベーションを促進させ、やがてはオープンなWebのエコシステム全体の健全性を増進させる」と判断したという。
Webデベロッパにとって、短期的にはBlinkによって変わることはほとんどないと同社は説明。長期的にはコードベースの健全化によって安定性が高まり、バグも少なくなると予想している。移行に当たっては他のブラウザベンダと緊密に連携してWebを前進させ、互換性を保つと表明した。
ノルウェーのOperaも、Blinkを採用する意向だ。同社のエンジニア、Bruce Lawson氏はブログで、Blinkにコントリビュートする旨を明らかにし、Webブラウザエンジンの多様化を歓迎すべきこととしている。同氏はさらに、Operaのコアテクノロジ担当バイスプレジデント、Lars Erik Bolstad氏が、Operaのブラウザエンジンに関する経験をBlinkに提供していくと語った旨も追記している。
一方、Firefox開発元のMozillaは同日、Samsungと組んで、実験的Webブラウザエンジン「Servo」と、Mozillaが開発した新しいシステム言語「Rust」をAndroidとARMに対応させたと発表した。
MozillaはServoについて、「現代のハードウェア上でWebブラウザを土台から建て直し、その過程で古い前提を再考するための試み」と位置付け、脆弱性の原因に対処しながら新しいハードウェアの性能をフル活用し、Webで新しいリッチな体感を実現するとした。
Servoに使われている新しい言語のRustは、同日バージョン0.6がリリースされた。Mozillaによると、Rustは高度なマルチパラダイムの言語で、ハードウェアリソースの正確なコントロールが可能。クラッシュにつながるメモリ管理エラーを防いで脆弱性の発生を防止するなど、セキュリティに重点を置いている。
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