2013年4月19日金曜日

つくばの竜巻 前兆現象に違いが

去年5月、茨城県つくば市を襲った国内最大級の竜巻で、竜巻の前兆の1つとされるひょうやあられが、限られた地域でしか降らなかったことが、東北大学などが住民に行った聞き取り調査で分かりました。
一方で、「昼間とは思えないほど空が暗くなった」という証言は地域全体から寄せられ、気象庁は、竜巻から身を守るために、空もようの急激な変化に特に注意するよう呼びかけています。

この調査は、去年5月、国内最大級の竜巻に直撃され、1人が死亡、37人がけがをした、茨城県つくば市で、東北大学などのグループが行い、277世帯の住民が回答しました。
それによりますと、気象庁が竜巻の前兆の1つとしている、ひょうやあられが降ったと答えたのは73世帯で、竜巻が通り抜けたコースの北側に集中し、反対の南側ではほとんどいませんでした。
その一方で、竜巻のコースの南北を含む広い範囲で合わせて78世帯が、竜巻の前に「昼間とは思えないほど暗くなった」などと回答したことが分かりました。
竜巻を研究している防衛大学校の小林文明教授は、「国内で竜巻の前兆現象をここまで大がかりに調べた調査は、過去に例がなく、防災上意義がある。つくば市を襲った竜巻は、『スーパーセル』と呼ばれる巨大な積乱雲の下で発生し、竜巻の通り道の北と南で、下降気流と上昇気流がはっきり分かれるため、ひょうの降り方などが大きく変わったとみられる」と指摘しています。
一方、気象庁もこの竜巻災害を受けて、来月半ばから「竜巻注意情報」の文面を一部見直し、積乱雲による空もようの急激な変化などに注意を促すことにしています。
気象庁気象防災推進室の弟子丸卓也室長は、「竜巻の前兆として、ひょうが降るとはかぎらない。空が急に暗くなってきたり、急に冷たい風が吹いてきたりすると、積乱雲が近づいてきている兆しなので、十分に注意してほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130419/k10014028081000.html

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