エコノミックニュース 4月29日 16時50分配信
昔から、自家発電のデモンストレーションなどにはよく、自転車が用いられてきた。一生懸命にペダルを漕いで電球に明かりを灯すような光景を、誰しも一度ならず見たことがあるだろう。この度、SivaCycles社が開発した発電機「Atom」は、そんな自転車発電の最先端ともいえるガジェットだ。
Atomは、縦約19cm、横約7.6cm、厚さ約3cm、の黒いシンプルな長方形のデザインで、重量は300gと小型軽量ながら、1,300mAhの取り外し可能なUSBバッテリーパックを備える高効率な発電機。取り付け方も簡単で、クイックリリースレバーまたはホイールナットを緩めて後輪を取り外し、Atom本体をハブに取り付ければ、あとは、自転車で走行するだけ。たとえば平均時速が約24kmの場合、最高で4.5W、500mAまでの充電が可能になる。
走行後にUSBバッテリーパックを外せば充電器として使用できるだけでなく、リボン・ケーブルをフレームに沿わせるように上方向に伸ばしてサドルの下に差し込めば、走行中の充電もできる。もちろん、これまでにも「Atom」と似たような、自転車ハブ取り付けタイプの発電機が全くなかったわけではない。しかし、それらはこの「Atom」とは似て非なるものなのだ。
「Atom」と既存品のもっとも大きな違いは、そのコンパクトさにある。自転車ハブ取り付けタイプの発電機は、交流電力を発生させるものなので、USB機器の直接充電には本来、適していない。そのため、これまでの製品では携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器を充電する際には、AC-DCコンバーターとバッテリーを太いケーブルで接続する必要があった。ところが、「Atom」の場合、発電した電気をすぐに供給するために、内蔵バッテリー、AC-DCコンバーター、効率を高める3対1のギア比、供給電圧の調整器などの必要な機器類をひとつのパッケージに搭載したのだ。
確かに、手軽さをフットワークが肝心のモバイル環境に、大層な充電器やケーブルを持ち歩くのは本末転倒だ。でもこの「Atom」ならば、よりスマートに利用できるだろう。
モバイル機器の大きな課題のひとつに電池の持続時間がある。バッテリー駆動で多くのアプリや高負荷のアプリを使用すると、途端に電池の残量が底をついてしまう。とくに自転車で移動するようなアウトドアな状況の場合、そのリスクは格段に高くなる。移動先で電源が切れてしまって途方にくれる状況も珍しくない。しかし、「Atom」を装備しておけば走行中に自動で充電してくれるので、そんな心配はなくなる。GPSやナビゲーションなどの電池を食うアプリも使い放題だ。まさにモバイル時代の自転車発電といえる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130429-00000065-economic-prod
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