産経新聞
2013年04月28日14時13分
ゴルフというスポーツはどれだけ精神力が要されるかの教科書的な例です。
最近タイガーウッズがまた世界のトップに躍り出られたのはまたその人の超人的な精神力をもの語っています。
ーーーーー
4月21日に終了した米男子ゴルフツアーのヘリテージ(米サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド、ハーバータウン・リンクス=7101ヤード、パー71)で、石川遼は首位と5打差の通算6アンダーの6位で最終日を迎えながら、バーディーなしの7ボギー、1ダブルボギーの80と崩れ、48位で終えた。
獲得賞金額は1万4417ドル(142万7283円)。合計8万5538ドルで賞金ランキングは164位。シード権獲得の125位に遠く及ばない。
ヘリテージが終わった段階での125位は21万4337ドルで、石川とは12万8799ドルの差がある。優勝すれば100万ドルが加算され、一気にシード権圏内へジャンプアップするのだろうが、今の石川の成績では可能性は低い。今季は変則日程での開催のため、残りは20試合。ただ、この中には今の石川の世界ランキング(113位)では出場できないメジャー大会、世界ゴルフ選手権も含まれる。すると、実質、出場できる試合は単純に16試合程度しかない。ここまで11試合に出場し、予選を通過したのは5試合だ。残り試合すべてに出場しても、好調を持続できない状況では何試合で決勝ラウンドに進んで賞金を手にできるのか。今季の最大目標である「シード権獲得」は早くも黄色信号が点滅し始めたといってもいい。
■攻めの姿勢が奏功した3日目
ヘリテージの第1ラウンドを3アンダー、7位につけた石川。「このコースはドローとフェードを両方求められるので、結構、僕向きじゃないかなと思う」とコース適性に自信をのぞかせていた。2日目にパッティングで苦戦し72としたが、3日目に「なるべくアイアンをピンに打っていって決まらなければしょうがないと、とにかくバーディーを狙った」という攻めの姿勢が奏功し、5バーディー、1ボギーの67と今季最高のスコアを出して6位に浮上した。
前半はアイアンショットで縦の距離感が合わなかったが、「我慢したが、守りに入らなかった」ことで道が開けた。11番でピン2メートル、12番で6メートル弱、13番で1メートル強につけて、3連続バーディー。パー4の16番ではフェアウエー左のバンカーから残り120ヤードの2打目を前方の木を「30ヤードぐらい曲げた」という鮮やかなフックボールでかわしてピン3メートルに寄せてバーディーを奪ってみせた。「狙い通りの結果」と自ら評価し、「(最終日は)我慢の展開になっても、耐えてプレーできればと思う」と見据えていた。
■オオカミ少年になっちゃう!?
ところが、どうだ。強風が吹いたとはいえ、ショートゲームで精彩を欠き、グリーン上でタッチが合わずに80と今季ワーストのスコア。「ズルズルと行ってしまった感じ。その辺は悔しい」と歯止めが利かなかった無念さをにじませ、「風は難しかったが、2、3オーバーで抑えられるコンディションだった。最低限のプレーができなかった」と自らの未熟さぶりに落胆していた。
仮に、石川の言うとおり、最終日を最大3オーバーでラウンドしたとしたら、3アンダーでホールアウトしていたはずだ。すると、9位に踏みとどまり、12万5666ドルの賞金を手にできた。48位の賞金額より11万1249ドルは多く、総額は19万6787ドルになり、賞金ランキングは133位相当にまで浮上していたはずだ。
スポーツに「たら、れば」は禁物で、今季の石川の場合はまさに「たら、れば」が多い。最終日の6番で第1打を右に曲げて池に入れなければ、ダブルボギーはなかった。1〜2メートルの短いパーパットが入っていたら。実に非生産的だ。「ショットもパットもアプローチもやりたいことがある。マスターズが終わって、今週も良い経験が積めました」と前向きに捉え、「反省するところは反省し、次に生かすところは生かして、4日間持つように頑張りたい」と前を向く。最盛期だった石川は、まさに有言実行できた言葉も、今では「またですか」と実現できない言葉に呆れるファンもいなくはないはずだ。
このまま、シード権を確保するめどが立たなければ、国内ツアーへの参戦はお預けになる公算は大きい。国内男子ツアーに松山英樹という将来有望な若手がプロ宣言し注目を集めても、開幕戦・東建ホームメイトの入場人員が前年比1万1645人も減少する低迷ぶりでは、石川頼みの男子ツアーの将来は、低迷する石川とともに暗い、と言わざるを得ない。
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/7633619/
0 件のコメント:
コメントを投稿