2013年4月24日水曜日

アップル 四半期決算が約10年ぶり減益

少し減益したところで、失速と嘆くのは、実に可笑しい。永遠に増えることは不可能だからです。
永遠に「革新」するのも不可能です。
消費者に必要なものを妥当な価格と品質で提供すればいいだけです。
「革新」と称して、必要ともされな機能を消費者に押し付けて、法外な利益を得るのは、犯罪です。
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アメリカのIT企業アップルは、23日、ことし1月から3月までの四半期決算を発表し、主力のスマートフォンの販売が伸び悩んだことから、最終利益は前の年の同じ時期と比べて18%減少しました。
アップルの四半期決算が減益となったのは、およそ10年ぶりのことです。

アップルが発表した、ことし1月から3月までの四半期決算によりますと、売上高は436億300万ドル(日本円でおよそ4兆3300億円)となり、前の年の同じ時期より11%増えました。
一方、最終利益は95億4700万ドル(日本円でおよそ9500億円)と、前の年の同じ時期と比べて18%の減少となりました。
アップルの決算が減益となったのは、2003年の4月から6月までの四半期決算以来、およそ10年ぶりのことです。
減益となったのは、主力のスマートフォンやタブレット端末の販売が伸び悩んだことに加えて、比較的価格の安いモデルに消費者の人気が集まったことで、利益率が低下したためです。
アップルのティム・クックCEO=最高経営責任者は、電話会見で「アップルの将来には楽観的な見通しをもっており、長期的な観点から課題に取り組みたい。最近の株価の低迷には心苦しい思いをしているが、アップルの強みを発揮するなど、最善を尽くしたい」と話しています。
一方、アップルは今回の四半期決算に合わせて、配当や自社株買いを通じて、新たに550億ドル(日本円で5兆4700億円)に上る株主への還元策を発表しました。
業績の伸び悩みや株価の低迷に対する株主の批判をかわしたいというねらいがあるものとみられます。

失速の要因は
アップルは、創業者のスティーブ・ジョブズ氏の下で、時代の一歩先を行く革新的な商品を次々に生み出し、業績は拡大を続けてきました。
2001年には携帯音楽プレーヤーの「iPod」を発表し、インターネットを通じて音楽を購入するという新しいスタイルを瞬く間に普及させました。
さらに2007年には、スマートフォン「iPhone」。
2010年にはタブレット端末の「iPad」を投入し、従来の携帯電話やパソコンから、タッチパネルで操作する携帯端末へのシフトが加速するきっかけを作りました。
ジョブズ氏がおととし10月に亡くなり、ティム・クックCEO=最高経営責任者が経営トップの座を引き継いでからも、その勢いは続き、株価は上昇を続けました。
そして去年9月、新型のスマートフォン「iPhone5」の発売日には、株価は705ドルの最高値をつけます。
しかし、独自に開発した地図サービスに問題が見つかり、品質管理に疑問が投げかけられたほか、iPhone5の販売が期待していたほどではなかったという見方から、株価が一転して値下がりを続けるようになります。
ジョブズ氏の時代のような革新的な商品を生み出すことが難しくなっていて、会社の成長も鈍化するのではないかという懸念が強まり、アップルの株価は先週、1年4か月ぶりに400ドルを割り込みました。

日本企業にも影響か
アップルの失速によって、スマートフォンやタブレット端末など主力商品の部品を供給している、日本企業の業績に与える影響も懸念されます。
アップルがことし1月に公表している取引先企業のうち、日本企業はおよそ40社に上っています。
ソニーやパナソニック、東芝、シャープなど、大手電機メーカーの多くがアップルに部品を供給しているほか、化学メーカーの住友化学やガラスメーカーの旭硝子など、日本を代表する企業がアップルのヒット商品を支えています。
しかし今回、アップルがおよそ10年ぶりの減益決算になったことで、日本企業の業績に与える影響も懸念されます。

どう打開する
アップルの次の一手に注目が集まるなか、アメリカのメディアは、アップルが腕時計型のコンピューターの開発を進めていると伝えており、これを裏付ける特許も公開されています。
さらに、クックCEOがテレビに関心があると繰り返し述べており、デザインや操作性に特徴のある新型テレビの製品が投入されるのではないかという観測も広がっています。
さらに、アップルでは、革新的な製品を生み出す環境整備にも力を入れています。
創業者のスティーブ・ジョブズ氏が生前に「宇宙船」と呼んだ、地上4階建ての新本社が、2016年の夏、カリフォルニア州のシリコンバレーに完成する予定で、手狭になった今の本社と周辺に分散しているオフィスを統合し、部門を越えた社員どうしの連携を深め、革新的な商品を生み出す環境を整えたいとしています。
一方、アップルは、成長の勢いを取り戻すためには、将来最大の市場になるとみられている中国での販売を強化する必要があると考えています。
スマートフォンの世界シェアでは韓国のサムスン電子がアップルからトップの座を奪い、商品開発についてもライバルのグーグルがメガネ型の端末や車の自動走行システムの実用化を目指すなど、大きな話題を集めています。
こうしたなかで、アップルが業績の拡大を続けるためには、革新的な商品を生み出し、新たな市場を開拓できるかどうかが課題となります。

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