アメリカに行ってよく交わされた挨拶は、「日本人ですか。日本の物価は高いですよね。」と同情されてしまいます。
でも現地でちょっとでも暮らしてみると、どこが日本より安いか?と疑い始めます。
確かにブランド品なら日本より安いのはあります。安いスーパーにいくと、野菜や特に牛肉等も安いです。
でも以下の記事のように、日本と変わらないか、日本よりも高いのも少なくありません。
つまり、日本人は毎日寿司を食べると同じような誤解です。
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バンクーバーのある白人さんが「東京には行ったことがないぁ。タイはあるけれど」。日本についてバンクーバーの地元の人に聞くとこんな答えが結構返ってきます。なぜ東京には行かないのか、と聞けば高い確率で「物価が高い」と答えます。あるいは、日本のスイカ1個の値段が中国の12個分だから日本の物価は高いというのは所得や物価水準を無視した話で比較する意味がありません。日本の物価が高いというのはそういう意味ではやや誤認識であるのですが、それを声を大にして言っている人は少ないでしょう。
では日本にいる人に東京の物価は安いか、と聞けばそんなことないですよ、というかもしれません。しかし、東京というインフラを享受し、世界最高のサービスと丁寧さを誇る日本は物価に甘えすぎているのかもしれません。
吉野家が280円牛丼を始めたことが話題になっていますが、街を歩けばワンコインランチだらけ、寿司のテイクアウトは199円などというのもありました。先日行った東京のあるカフェ。ランチセットはかぼちゃスープ、ミニバゲット、手作りパスタ、さらにエスプレッソコーヒーがついて500円は期間限定だとしてもやりすぎです。
新宿のある洋風居酒屋ではわずか2800円の8品コースは満足できる量と質だし、1200円、飲み放題ではワインも10種類ぐらいから選べます。
ユニクロは私は基本的に行かないようにしています。理由は行けば欲しくなるからでしょう。しかし、その禁断のユニクロに先日久々に足を踏み入れてしまって価格を見て腰を抜かしそうになりました。この品質でこの価格は世界水準とくらべれば圧勝だと思います。ユニクロだということを気にしなければアウトレットまで足を運ばなくてもよさそうです。
一方、北米。バーでビールを飲めば7−8ドルですが、税金とチップをのせれば結局10ドルの世界です。1ドル100円で換算すれば1000円。小奇麗なレストランで食事をしてチップを15%乗せれば100ドルはまず超えてきます。これで、こんなにするの、ということになります。
バンクーバーの有名ラーメン店。8−9ドルの価格でも税サを足し込めば日本円で1100円にもなるのですが、海外だから高くてもしょうがないと割り切るにはグローバル化が進んでいることを考えればあれ、と思うのであります。つまり、飲食に限って言えば感覚的なものですが、バンクーバーを含む北米のほうが2−3割高いということであります。
飲食が高いのはサービスに対する対価が欧米では圧倒的に高いということでしょうか?日本はサービス料がゼロ円感覚ですからこれが価格に跳ね返っているのだろうと思います。
ユニクロや無印、ニトリは品質の向上をさせながらコストの圧倒的削減を図り、大量販売という人口密度の高い日本の特性を生かした商売をしています。
先進国同士で比べた場合、日本は圧倒的価格競争力を持ち合わせています。外国人観光客を呼び込もうと政府は四苦八苦しているわけですが、京都や富士山を売り込むのも大事ですがいっそのこと、「物価が意外と安い国、ニッポン」で売り込んでみるのも逆転の発想でストレートに反応すると思います。京都や富士山は日本人にとって素晴らしいものですが、外国人にとっては興味ない人も多いということに気が付かなくてはいけません。
それよりもこの価格でこれだけ食べられる、とかこのクオリティでこの価格の商品は日本だけしかゲットできないとしたらどうでしょうか?
ところでビックマック指数という為替水準の比較方法があるのですが、ビックマックにかかわらず、飲食全般、一般商品全般で考えれば日本の円は本来ならもっと強くなくてはバランスが取れない点は円安が進む日本において理論的な水準はどこにあるのだろうと考え直すにはよい機会だと思います。もっとも日本人がサービス代を払うようになり物価がドンと上がり、給与も上がるストーリーなら別ですが、日本の歴史はそれを許さない気がします。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
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