2013年11月11日月曜日

「Xperia Z1」カメラ 画質レビュー編——「iPhone 5s」と比べてどちらがキレイ?

テストの仕方、カメラ機能の使いこなし度合い等々に差が有るものの、参考になる情報でしょう。
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荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ:
 いわゆるガラケーのころから、ケータイは本職デジカメに比べて一回り小さなサイズの撮像素子を使っていて、デジカメに比べると画質は下、というのが普通だったけれども、とうとうデジカメと同じ撮像素子を積んだスマホが出てきたのである。
 同社のサイバーショット(の主力モデル)と同じ、1/2.3インチの裏面照射型CMOSセンサーを搭載。一般的なスマホは1/3インチ前後のサイズが主流なので、それらよりひとまわり大きいのである。いよいよ本気出してきたなソニー、といったところ。●1/2.3インチで2070万画素のZ1とiPhone 5sで対決させてみるの図 Xperia Z1(以下、Z1)の撮像素子は1/2.3インチである。しかも2070万画素である。ソニーの主力モデルCyber-shot WX200などと同じ撮像素子だ。
 ここでもう1台登場する。スマホ写真の代名詞ともえる「iPhone 5s」(以下、5s)だ。こちらは1/2.3インチより小さな撮像素子(サイズは非公表)を採用しているのだが、画素数を800万画素に抑えているため、画素ひとつあたりはZ1より大きく、暗所に強くなったと称している。
 ではどっちが高画質なのか。やはり画素数が多い方がいいのか。気になるところであります。で、Z1のカメラレビューなんだけど、まずは基本性能チェックってことで、2070万画素のZ1 vs 800万画素の5sで比較しながらみてみたい。ちなみにZ1はauの「Xperia Z1 SOL23」を使用した。
 その前に、ちょっとややこしくて申し訳ないのだけれども、Z1の画像サイズについて知っておくべし。Z1の撮像素子は2070万画素(20M)であるが、撮影モードによって記録画像サイズに違いがあるのだ。
 例えば、最も基本的な撮影モードである「プレミアムおまかせオート」時は、画像サイズが800万画素(8M)固定なのである。それも、縦横比が4:3ではなく16:9。20Mの撮像素子で撮ったものを8M相当に縮小して記録してるわけだ。
 20Mフルサイズで撮りたいときは、Mモード(マニュアル撮影モード)にしなきゃいけない。このときは記録画像サイズをいくつか選べる。撮影モードによって記録画像サイズが変わるのはややこしいので、表にしてみた。プレミアムおまかせオートは8M相当で16:9、特殊な撮影モードは200万画素(2M)相当の16:9(フルHDサイズ)、マニュアルモードは画像サイズを選べる、と思っていい。
●屋外の写真を比較
 以上を念頭において、まずは「プレミアムおまかせオート」(つまり8M同士)で象の滑り台対決から。
 16:9と4:3という違いがあるので比べにくいのだけれどもご容赦を。 全体にZ1の方が明るめに写る傾向があるんだけれども、これなんかそんな感じ。
 お次はあずまや……といいたいところだが、いつもの撮影場所が工事中で撮れなかったので、代わりに別の風景写真で。中央にある松の枝を見ると違いが分かりやすい。
 20Mを8Mに縮小してディテールの描写感を上げているZ1 vs リアル8Mの5s。軍配はどちらに、とあおるまでもなく、一目瞭然の結果に。Z1の方が松や電線のディテールがはっきりしている。
 もっとも、Z1のディテールに不自然さを感じる向きもあろう。それはプレミアムおまかせオートで撮ったからだ。プレミアムおまかせオートは自動的にシーンに応じた絵づくりをする。この場合、撮影したのが風景だと判断して、シャープネスを強めにかけてくっきりした絵づくりをしたのだ。
 マニュアル撮影モードで撮るとここまでカリカリではない。せっかくなので、マニュアルモードで撮った8Mと20M相当(フルサイズ)の写真も見ておく。
 総じて、ぱっと見では5sの方が青空が鮮やかに出ててきれいにみえるが、ディテールの描写力はZ1の方が上。ざっくりいってそんな感じだ。
 次は人工物の画質を。Z1の各サイズと5s、合計4つ並べてみた。 同じ8Mで撮ったものを見比べてみると、Z1の方がノイズが少なくて滑らかな描写だ。2070万画素を8Mサイズに縮小しているメリットやサイバーショットで培った画像処理のおかげ。
●デジタルズームの写真を比較
 8Mで記録するメリットのひとつに、デジタルズームがよく挙げられる。デジタルズームは撮った写真の中央部を拡大処理して大きく見せるため、ディテールの劣化は避けられないが、元画像が大きければ、中央部の8M部分を切り出すだけで済むので劣化しないからだ。
 というわけで、デジタルズーム対決。まずZ1でデジタルズーム。2本指でしゅっとピンチ操作してもいいけど、カメラアプリでは側面の音量調節スイッチがズームボタンになるので、そっちを使う方が簡単。
 5sの方は、Z1と画角がほぼ同じになるようにデジタルズームをかけて撮ってみた。20Mから中央の8M部分を切り出したZ1と、8Mから中央部を拡大した5sの違いはどのくらい出るか。
 思ったより差が出なかったなというのが正直なところ。デジタルズームをかけていない写真に比べるとディテールが実に甘い。
 ほかの写真も見てみる。いずれにせよ、デジタルズームしていないときのしゃきっとしたディテールに比べると甘さが目立つ。
 ただ、同じ撮像素子を使ったコンデジでも等倍でちゃんと見るとエッジがもやっとしてるわけで、個人的にはこのサイズの撮像素子やレンズに20Mはオーバースペックだろうと思っております。
●人物と室内の写真を比較 明るい場所での作例が続いたので、後半は室内や夜景シリーズ。
 まずはランチ。5sの方が明るめに撮れた。カメラのクセの差か、Z1は皿の白さにひっぱられちゃった感じ。料理モードでも撮ってみた。
 次は人物。撮影シーンによって写りが全然違うので、シチュエーション別に何パターンか行きます。明るい室内では、iPhoneの方がやや温かみがあって肌色もきれいに明るく出ている。一般的にソニーのカメラは顔が明るく写るようコントロールしてくるので、ちょっと意外な結果。
 同じ場所で美肌モードでも撮ってみた。プリクラっぽく肌がつやつやになっていて面白い。
 お次は屋外。といっても雨だったので暗い場所と言って差し支えないです。今度はZ1の方が顔が明るくきれいに写っていていい感じ。全体を見て露出を決めたという写りだ。写真的には5sの方がナチュラルだけど、人物を撮るときは顔がよく分かるように写ってほしいわけで、Z1はその効果が出てる。
 さらに暗い室内。5sはかなり暗くならないとライトは自動発光しないが、Z1はちょっと暗くなっただけですぐ光る。光るタイミングがデジカメっぽい。今回のシチュエーションでは、発光をオートにした場合、Z1は発光し、5sは発光しなかった。 5sの方がライトに頼った露出になっていて背景が暗くなってること、Z1は暗いと積極的にISO感度を上げるのでその分ノイズが出るということ、暗いと顔検出しててもAFがあやしくなるねということ。そんな感じです。
●夜景の写真を比較 最後は夜の写真編。 5sの方がノイズが少なくてハイライト部も締まっていてきれい、と思ってよく見たら、5sはISO100で1/30秒、Z1はISO400で1/125秒とZ1の方が感度が上がっているせいなのだった。1/125秒なんてシチュエーション的に不要なシャッタースピードになったのは道路を走っている車を認識してしまったせいかもしれない。
 でもまあ、全体として、Z1の方がシャッタースピードが速めになる(ISO感度が上がりやすい)傾向がある。クオリティー的にはノイズが出やすいが、ぶれにくくなるのはありがたい。
 もっと暗いシーンに挑戦。夜の清掃工場煙突ですな。これは暗い。
 どちらも感度がぐっと上がり、ノイズが増えている。
 5sが意外に頑張ってる印象だが、よく見ると、Z1はピントが微妙にずれておりました。撮ったときに気づかなくてもうしわけない。Z1は夜景時にピントを外すことがけっこう多いので、気を付けていたのだが、このケースでは見逃してしまったらしい。
 Z1は「手持ち夜景」機能を持ってる。同じシーンで、手持ち夜景モードでもとってみた。こちらはノイズが少なく、ディテールもけっこう出てていい感じだ。 さて、だらだらと比較写真ばかりのっけてきたので、最後にZ1単体の写真を何点か。
●Xperia Z1のカメラで気になったところ で、iPhone5sと比較しながら撮ってみた感想です。Z1は優秀な8Mカメラである……といっちゃうとミモフタもないけど、2070万画素を8Mで撮ったものは、ディテールがすごくしっかりしていてよい。晴天下で遠景を撮ると特に差が出る。
 残念なのは、暗い場所でAFを外すケースが多かったこと。基本撮影モードである「プレミアムおまかせオート」時の縦横比を16:9にしちゃったのも疑問。それはそれでいい気もするが、スマホでは縦位置で撮影したり、Instagramなど「正方形フォーマット」が多く使われる現状を鑑みると16:9は使いづらい。
 ほかに気になったのはシャッタータイムラグ。Z1のAF自体は遅くないんだけど、撮影のたび、必ずAF動作が入るので、その分タイムラグが発生するのだ。タッチAFで「ここ」と指定するとそこにいったんピントを合わせるのだが、カメラボタンを押すと再度ピントを合わせ直してから撮影する。だから撮影のタイミングを計りづらい。
 サイドにあるカメラキーは半押しによるAFロックが効くのでタイミングが重要なときはそっちを使うべきだろう。
 で、結果としてiPhone5sとどっちがいいか、なんていう難しいことは聞かないでください。ディテールの描写力ではZ1が圧勝なんだけど、それ以外はさほど差がなく、シーンによって5sの方がよかったり、Z1の方がよかったりしたので一概には言えない。レビューする前はZ1が圧勝するかなと思ったけど、いざ使ってみるとそれほどの差はなかったというのが正直なところ。 いずれにせよ、1/2.3型撮像素子を搭載した普及型コンデジはますます厳しいですな、というのはいえそうです。 では次回はZ1ならではのユニークな撮影機能についてあれこれ探ってみます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131111-00000079-zdn_m-prod

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