2013年11月19日火曜日

最古の大型ネコ科動物、チベットで発見

猫は可愛いイメージがあるが、ネコ科には実に色んな大物があります。
その祖先でしかも最古のものを分かるところで、どんな意味だろうか。と言うのはただ素人の単純な質問だろうか。
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 大型ネコ科動物はいつ、どこで出現したのか。チベット高原で最初期の所在を示す化石が発掘され、古生物学者たちが色めき立っている。 ネコ科の共通祖先から最初に分かれたのが大型ネコ科動物だ。すべてのネコ科動物の進化は、ここから始まっている。 380万年前のアフリカの地層で発掘された化石が最古の痕跡とされている。しかし、現生の骨と比較したDNA解析や地理的な分布は、起源が少なくとも600万年前のアジアに遡ると示している。 そして、ついにこの説を裏付ける化石がチベットで発見されたという。 ネコ科動物の化石「Panthera blytheae」は、約200万年早い後期中新世〜前期鮮新世に生存していたと考えられ、アジア大陸で分岐した初めての証拠となる。◆心躍る瞬間 2010年8月7日、ニューヨークのアメリカ自然史博物館の古生物学者、ジャック・ツェン(Jack Tseng)氏のチームは、いつものように化石の現地調査に出掛けた。 当日の目標地域で調査を始めたチームの目に飛び込んできたのが、地表から突き出たユニークな形状の物体だったという。「肉食動物の下顎の一部だった。根元が残っていたため、おおよその歯の数がわかる。全体の大きさからもネコ科動物と考えて間違いない」とツェン氏は当時の様子を説明する。 そして、心躍る瞬間が待っていた。「そっと土を除けると、頭蓋骨の上部が出てきたんだ。横幅と鼻先に向かって細くなる形から、やはりネコ科動物だと確信した」とツェン氏。下顎だけでも“当たり”だったが、複数の骨で構成される頭蓋骨は手掛かりも多い。しかも、系統内の変化が少ないため、系統樹のどこに属するかを判断しやすい。 その後、頭蓋骨と下顎のすべての骨を、現生のネコ科動物の骨と比べた結果、ユキヒョウの祖先と判明した。 スウェーデン、自然歴史博物館の上級学芸員で、ネコ科動物の化石を専門とするラーシュ・ワーデリン(Lars Werdelin)氏は、「ネコ科動物すべての共通祖先に近い種が、いつ発見されるかと期待していた。これは間違いなくユキヒョウの系統だ。何百万年にもわたる堅固な適応性を示している」と評価する。◆ヒマラヤ難民 発掘作業を行った化石層には、もう1つ興味深い事実が隠されていた。チベットの大型ネコ科動物は、何百万年も前からチルーやバーラルと共存していたらしい。ヤギやカモシカの仲間で、今や地球の各高地に押し込められたように分布している。「後の氷河期にユーラシア全体に広がった動物の多くは、チベット高原が起源のようだ」とワーデリン氏は語る。チベット高原は常に寒く、「高地で進化した動物たちは氷河期の気候にも十分適応可能で、その勢力は拡大を続けた」。 今回、数百万年も遡る大型ネコ科動物が発見され、同時に多様な化石が出土した。つまり、ヒョウやライオンなど現存のネコ科捕食動物の一部は、チベット高原から台頭した可能性がある。◆未完成のパズル「Panthera blytheae」は一種のミッシングリンクだ。ツェン氏は、「時の大きな空白を埋め、化石データや分子データの時系列がまた一歩充実した」と語る。 ただし最終的な回答はまだ出ていない。ユキヒョウの祖先というだけで、大型ネコ科動物の最古の化石と確定するには不十分だ。 ツェン氏らは、チベット高原に眠る化石の豊富さを実感し、新たな意欲に燃えている。「中央アジアの中新世の岩からは、もっと昔の大型ネコ科動物が見つかるに違いない」。 今回の研究結果は、「Proceedings of the Royal Society B」誌にオンライン版に11月13日付けで掲載されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131118-00000006-natiogeog-sctch

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