2014年6月23日月曜日

中国で始まった“Xiaomi包囲網”(前編)──「紅米」「Mi3」を追撃するHuawei

ほとんどのユーザーはごく簡単な機能しか使わないことを考えると、xiaomiのような製品は十分だろう。
いや、むしろそれでも十分過ぎる。
ブランドはだろうタダの気のせい、勘違い。
ーーーーーーーー
 中国国内スマートフォン市場でXiaomi(小米科技、シャオミ)の勢いが止まらない。中国のスマートフォン販売数の上位はサムスン電子、レノボ、そして、Coolpadブランドでスマートフォンを展開しているYulong Computer Telecommunication Scientific(宇龍計算機通信科技)が続くという3社のスリートップ状態が長く続いていた。ところがここに割って入ってきたのがXiaomiだ。【他の画像】 調査会社のCounterpointによると、2014年第1四半期における中国のメーカー別スマートフォン販売シェアでXiaomiが11%で3位に入った。4位のCoolpadとAppleのシェアは10%、2位のレノボは12%と、Xiaomiを含めた4社が互角に戦っている。しかも、サムスン電子やレノボ、Coolpadがハイエンドからエントリーモデルまで20機種以上を展開することで圧倒的な販売数を記録している中、Xiaomiは主力モデルはわずかに3機種、2013年販売の製品を加えても5機種しかない。 また機種それぞれの販売台数でもXiaomiの躍進は著しい。同じくCounterpointの調査によれば2014年4月の中国機種別販売ランキングでXiaomiの現行モデル3機種がトップ10入りした。しかも、販売1位にはXiaomiの低価格モデル「紅米」が躍り出た。2位と3位はAppleのiPhoneが食い込んでいるものの、5位にはXiaomiの上位モデル「Mi3」(小米3)が姿を見せており、2015年4月に発表した5.5型の低価格ファブレット紅米Note」も7位につけている。 インターネットによるオンライン販売が基本のXiaomiも、今や中国3大通信事業者が製品を取り扱っており各社の店舗で実機を試してから購入できる。また、街中の独立系の携帯電話販売店もオンラインで販売しているXiaomiのスマートフォンを転売している場合が多く、定価に500元-1000元の価格を上乗せして販売している。低価格が売りのはずのXiaomiが定価より高い価格でも売れるのである。Xiaomiの魅力はもはや「価格」だけではなく、それを持つことで満足感を得られる製品になっているわけだ。 中国で成長を大手メーカーをしのぐほどに成長したXiaomiは、国外展開も着々と進めている。販売数は順調に伸ばしていくだろう。とはいえ、Xiaomiにはまだまだ乗り越えなくてはならない壁もある。「紅米」は低価格で販売数トップとなったものの、上位モデルの「Mi3」はiPhone 5sを超えていない。Mi3とiPhone 5sの価格はそれぞれ1999元(2014年4月現在)と5288元(同)。価格差が約2.5倍もあるiPhone 5sの販売台数が上だ。 また、ファブレットで比べてみても「紅米Note」はサムスン電子の「GALAXY Note 3」に及ばない。「紅米Note」のすぐ後には同じサムスン電子の「GALAXY GRAND 2 Duos」がわずかの差で続いている。大画面モデルにおけるサムスン電子の強さを如実に表している。スペックの差もあるだろうが、やはり、ブランド力という点において、XiaomiとApple、サムスン電子の間には大きな差があるということだろう。 Xiaomiの急成長は「オンライン販売への特化」(店舗など無駄なコストの削減)に「限定数注文受付」(余剰在庫ゼロ)」、そして、「ユーザーの声を直接取り入れる」(ユーザー視点の製品開発)など、これまでのスマートフォンメーカー各社とは異なる戦略に因るところが大きい。Xiaomiの製品は、部材レベルでは半導体ベンダーのハイエンドパーツを組み込んでいる。ただ、それはほかのメーカーでも採用できるものばかりだ。●「おしゃれな低価格機」で一気に追い上げるHuawei となると、ほかのメーカーがXiaomiの戦略をトレースしようと思えばできないことはない。とはいえ、今からXiaomiと同じ製品を作ったところでそれは「Xiaomiの真似をしたモデル」で終わってしまう。Xiaomiに打ち勝つにためには、同じことをやるのではなく独自の戦略が必要だ。 いま、中国各社はその「独自性」に注力して製品を開発している。そして、Xiaomiの座を脅かす製品が出てきている。先ほど紹介したCounterpointの調査結果で、Xiaomi、Apple、サムスン電子に交じって5位にHuaweiの「Honor 3C」がつけている。この「Honor 3C」と(10位までにランクインしていないが)「Honor 3X」は、Huaweiが市場に投入した"Xiaomiキラー"だ。 HuaweiはHonor 3シリーズを2013年12月に発表した。Xiaomiの「紅米」が2013年8月、「Mi3」が2013年9月であるから、わずか数カ月で開発したことになる。「Honor 3C」は1000元を切る低価格機、「Honor 3X」は1000元台で高スペックと、それぞれ「紅米」「Mi3」に真っ向から対抗している。 この2製品は発表直後に中国の大手オンラインショッピングモール「JD.com」(京東商場)で予約販売を先行して受け付けるなど、Xiaomiと同じようなネットを活用する販売手法を取った。しかし、Huaweiのメーカー名ではなく「Honor」のブランド名をアピールし、新しい製品というブランディングにも注力している。加えて製品のボディーカラーもXiaomiが黒や赤などを前面に出しているのに対し、Honor 3シリーズは白やピンクやミントグリーンなど明るい色を中心とした6種類のカラーバリエーションを展開した。 Xiaomiとの違いは製品パッケージにも表れている。Xiaomiは無駄なコストをかけていない印象を消費者に与えるため、パッケージは無印良品のようなクラフト紙をイメージした紙を利用している。これに対して「Honor 3C」のパッケージはミントブルーを基調にしており、そのデザインはジュエリーブランドのティファニーをイメージさせる。低価格品とは思えぬ印象だ。携帯電話販売店でもこのパッケージは目立っており、「Honor 3C」の製品イメージ向上に一役買っている。 「Honor 3C」の価格は、1Gバイト版が798元と「紅米」に並び、2Gバイト版は998元。上位モデルの「Honor 3X」は1698元と「Mi3」の1998元より300元も安い価格で登場した。「Mi3」と「Honor 3X」を比較するとディスプレイの解像度が低いがデュアルSIMに対応し、オクタコアで動作クロックが1.7GGzのCPUを搭載している。Xiaomiのような高スペックで低価格な新しい製品というイメージを「Honor 3X」は中国の消費者にアピールすることに成功している。 Honor 3シリーズの追い上げや製品発表から半年以上が過ぎたこともあり、Xiaomiは2014年4月に「Mi3」の価格を1699元に引き下げた。これに対しHuaweiは、「Honor 3X」のディスプレイ解像度を「Mi3」と同じ1080×1920ピクセルとしたアップグレード版を発表している。 さらに、中国で本格的な普及が始まったLTEに対応する「Honor 3C LTE」も近日中に投入する予定だ。XiaomiはLTEスマートフォンをまだ発表しておらず、対応するとしても上位モデルの「Mi3」後継機からと多くの関係者はみている。低価格スマートフォンの争いで「Honor 3C LTE」がXiaomiの紅米シリーズを追い抜く可能性もありそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140623-00000084-zdn_m-prod

0 件のコメント:

コメントを投稿