激しくどうするのは、この手の研究を止めるべき事です。
まして悪用されると、もっと大変な事になります。
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暑く寝苦しい夜、プーンと耳障りな羽音とともに忍び寄ってきてチクリ。そんなうっとうしい蚊が本格的に活動する季節が近づく中、6月10日付の英科学誌に、遺伝子操作によって蚊を絶滅させる方法の論文が掲載された。嫌われ者の蚊だけに大歓迎されたかというと、さにあらず。ネット上では「生態系に甚大な影響が生じる」と否定的な見方が多い。
論文を発表したのは、英ロンドン大などの研究チーム。研究を行った背景は、「刺されるとかゆくて不愉快だから」ではなく、蚊の媒介で世界の死者数が毎年150万人に上っているマラリアの感染をできるかぎり食い止めたいという真剣なものだ。
チームは蚊の遺伝子に、雌の蚊が生まれてくるのに必要なX染色体が正常に働かなくなる遺伝子を組み込んだ。その結果、通常は生まれてくる蚊の雌雄比率が50%ずつなのに対し、遺伝子操作を行った場合は雄が95%を占めるようになった。
遺伝子を組み換えた雄50匹と、通常の野生の雌50匹をケースに入れて飼育したところ、世代交代とともに雌の不足のため繁殖できなくなり、6世代以内に全滅したという。研究チームは、「マラリアを撲滅する革新的な手段だ」と主張している。
◆「いやな予感」
この成果が伝えられると、ツイッターや掲示板などでは当初、「蚊なんて大きらい。いなくなっても困らない」「ゴキブリにも応用できないか」などと歓迎する声がみられた。だが、やがて「蚊はいなくなってほしいけど別の生きものに影響がありそうだ」「これはやめとけ。いやな予感しかしない」と、否定的な意見が大勢を占めるようになった。
最も多いのが、生態系への悪影響に対する懸念で、「蚊や幼虫のボウフラを食べる生物が困る」「小型の鳥類や昆虫類、魚類などが激減する」などというもの。「マラリアで死んでいた有害な獣類が大繁殖するかも」という指摘もあった。
人間に有害な種を絶滅させる弊害の分かりやすい例としては、中国の文化大革命における大躍進政策が挙げられた。「農作物を食い荒らすスズメを皆殺しにしたけど、大失敗したろ」「結局、スズメに食べられていた害虫が大量発生して、農業生産に壊滅的被害が出た」「毛沢東主席の失脚につながったよな」といったコメントの末、「蚊だって自然界のバランス維持に必要なんだ」「食物連鎖の最下位の蚊がいなくなったら、頂点にいる人間にも必ず悪い影響が出る」と結論づけていた。
◆人間だって滅ぶ!?
雄ばかりになることに蚊が順応するから、やっても無駄という声も。その根拠は、「一部の魚類みたいに雌が足りなくなったら雌に変態する雄が出てくるんじゃないか」「子供を産む雄に進化する」「動物の順応性を甘く見てはいけない」など。
中には、「雌の誕生を阻害する遺伝子が、マラリア原虫経由で別の生物に取り込まれ、雄ばっかりの生物が増えたらえらいことになる」「人間だって滅ぶかもしれないぞ」のように、遺伝子を操作する手法そのものを危険視する人もいた。
このように、絶滅させることに対しては反対の声が多い。ただ、うっとうしい蚊が好きなわけではなく、「優れた虫除けを開発したほうが良くね?」「刺してもかゆくない蚊に改良しよう」「遺伝子操作で人間の血がきらいな蚊にすればいい」と、別の対策の提案も多かった。(壽)
【用語解説】マラリア
マラリア原虫を持っている蚊(ハマダラカ)に刺されることで感染する伝染病。厚生労働省検疫所によると、世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、1年間に3億人以上が感染、150万人以上が死亡と推測されている。感染後6日を過ぎてから発熱、悪寒、筋肉痛、倦怠(けんたい)感があらわれ、重症の場合にはけいれんや呼吸困難になったり意識を失う。治療には抗マラリア薬を投与する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140621-00000505-san-sctch
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