2014年5月21日水曜日

アメリカでミツバチの減少率が低下

飼育コロニーの消失の原因には農薬があるならば、それで採ったハチミツは大丈夫だろうか。
そもそも人間本当に無害な農薬だろうか。
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米農務省の新しい報告によると、広範囲での大寒波にもかかわらず、米国で2013~14年の冬に消失したミツバチの数は過去7年間の平均年間消失率を大幅に下回った。

 ただし、同省が養蜂家に対して行った調査では、全米の飼育コロニーの4分の1近い23.2%が、2013年10月から2014年4月の間に消失している。

 これは2007年からの平均消失率である29.6%、また2012~13年冬の30.5%よりは低いが、養蜂家にとって採算が取れる最低ラインの18.9%は明らかに超えているという。

「今年の調査結果は例年よりはよいが、なぜこの冬の減少率が低かったのかがわからないので、あまり慰めにならない。原因が解明されるまでは安心できない」と、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の遺伝子生物学研究所(Institute for Genomic Biology)所長で昆虫学が専門のジーン・ロビンソン(Gene Robinson)氏は話す。

 ハーバード公衆衛生大学院は5月9日、ミツバチの成虫が原因不明に失踪する蜂群崩壊症候群に、農作物の栽培に使われるネオニコチノイド系農薬が関係していることを示す有力な証拠が見つかったと発表した。

 今回の調査チームを率いたメリーランド大学准教授で養蜂家団体「ビー・インフォームド・パートナーシップ(Bee Informed Partnership)」のディレクター、デニス・ファン・エンゲルスドープ(Dennis van Engelsdorp)氏は、「我が国で果物やナッツを生産するためには、健康なミツバチが必要だ」と述べる。

 同氏はナショナル ジオグラフィックの取材に対し、国内の食糧生産を守るためにはコロニー数を安定させる必要があると話す。ミツバチは、リンゴ、アーモンド、クルミ、豆類を含め、米国民の食べる食品の約3分の1の原料となる植物を受粉する。

◆ミツバチの救済対策

 ファン・エンゲルスドープ氏によると、ミツバチの消失防止には、農薬の使用を見直し、雄バチの餌を清潔に保ち、ミツバチにとって最大の天敵であるミツバチへギイタダニの駆除を徹底させることなどが有効であるようだ。「地元で生産された蜂蜜を食べ、芝生の手入れには除草剤を使わず、庭に虫媒植物を植えるとよい」と同氏は述べる。

 ハーバード研究のリーダーで同大学院の環境曝露生物学准教授、チェンション・ルー(Chensheng Lu)氏は、まだ問題解決の糸口が見えたとは言えないとみている。「農務省は、ミツバチのコロニーの消失を具体的にどのようにして防止するのかを明らかにしていない。ミツバチだけでなく、鳥やホタルなど、他の生き物も減っていることを忘れてはいけない」とルー氏は話している。

 農務省は、送粉動物の栄養と餌の必要性について話し合う会議を10月に開催する計画を発表している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140520-00000002-natiogeog-sctch

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