2014年3月24日月曜日

音楽業界の敵か味方か、スポティファイ上陸へ

ただほど高いものはないです。
結局ただのデフレです。
資本主義経済にはインフレが必須。
デフレによるパイの奪い合いは最終的に社会全体には悪いです。
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東洋経済オンライン 3月22日 8時0分配信
スウェーデン生まれの音楽配信大手、スポティファイが日本に上陸する。スポティファイ日本法人のハネス・グレー代表は「現段階では詳細を話せない」と言うが、複数の大手音楽会社の幹部によれば、「夏前に開始する」と同社から伝えられており、6月にもサービスを開始する。

【詳細画像または表】

 2006年に設立されたスポティファイは、欧米を中心に55カ国で音楽の聴き放題サービスを展開し、会員は2400万人。月9.99ドルの有料サービス会員は600万人超で、広告付きの無料サービスが拡大の原動力だ。

 音楽の聴き放題サービスの拡大は世界的なトレンドだ。米国ではパンドラ・メディアなどが台頭。ダウンロード(DL)販売で圧倒的なシェアを持つアップルも昨年、「iTunes Radio」で参入。追撃する格好で、サムスンも「Milk Music」を3月から開始している。

 日本でも昨年、主要な音楽会社が出資するレコチョクや、エイベックスグループとソフトバンクの合弁会社「UULA」などが定額配信サービスを開始。ソニーの「ミュージック・アンリミテッド(以下、MU)」は昨年の3月に値下げした。

■ 日本の音楽市場は縮小

 スポティファイが日本法人を設立したのは12年10月。サービスを開始するのは時間の問題といわれてきたため、国内勢の相次ぐ事業展開には、先手を打つ狙いもあった。

 だが、日本の音楽市場は厳しい。13年のCDなどの生産額は2704億円と、ピークだった1998年から5割以上減少。「着うた」など従来型携帯電話向けDL販売も、08年の798億円をピークに13年は150億円まで落ち込んだ。スマートフォンではユーチューブなど無料動画サイトで簡単に音楽が聴けるため、DL販売そのものが音楽会社の期待ほど伸びていない。13年のPC・スマホ向け定額配信の売上高は前年比5倍の27億円に拡大したものの、音楽市場全体に占める割合は1%未満だ。

 音楽会社にとって複雑なのは、会員数を伸ばしているのが携帯電話会社の展開するサービスという点だ(表)。利用者がスマホを購入する際、加入を勧められるオプション契約の一つとなっていることが多い。そのせいか、「曲の再生回数が少なく、明らかに使われていない。会員数の増加に合わせて音楽を聴く人が増えているとはいえず、中長期で考えると喜べない」(大手音楽会社幹部)。

 他方、「レコチョクベスト」やソニーのMUなど、携帯電話会社と結び付いていないサービスは、会員数で大きく見劣りする。業界内では、知名度の低さや料金設定の高さがその原因とされている。

 さらに、利用者が聴きたい曲が少ないという面も大きい。その象徴が邦楽の新譜だ。ほとんどの音楽会社がCDやDLの販売から3カ月〜1年遅れで定額配信に曲を提供する。アーティストや所属事務所などの意向で定額配信に曲が提供されないこともある。

 日本の音楽市場3121億円のうち、CDなどの比率が全体の8割超を占める。各音楽会社の幹部は一様に「デジタル部門の担当者は定額配信にも積極的に曲を提供したいが、会社全体の判断になると、主力のCDなどの販売を落としたくないので思い切ってやれない」と話す。

 配信サービスの再編、淘汰の動きもある。昨年末、NTTドコモはレコチョクの株式の3割超を握る筆頭株主になった。ソーシャルゲーム大手、DeNAは昨年始めた「グルービー」の主要なサービスを、3月25日に終了する。

■ 無料配信に抵抗感

 国内勢が聴き放題サービスで有力な手を打てない中、スポティファイは普及するのか。最大の壁は、日本の音楽市場では8割超を占める邦楽のラインナップ充実だ。音楽会社との交渉では広告と課金を組み合わせたビジネスモデルに対して理解を得る必要がある。だが、「スポティファイは広告収入もわれわれに分配すると説明するが、無料で曲を全部流すことには抵抗感が強い」(大手音楽会社幹部)。

 日本で展開されている配信サービスは有料が基本。音楽会社には、無料で聴けるようになれば、CDやDLの販売の落ち込みに拍車がかかるという懸念がある。中堅音楽会社の幹部は「曲の提供に向けた交渉には応じるが、スポティファイだけを優遇するつもりはない」と言う。

 海外でスポティファイが成功しているのは、市場を寡占するソニー・ミュージック、米ユニバーサルミュージック、米ワーナーミュージックという3大メジャーと楽曲提供契約を結んでいることが大きい。これらはスポティファイの株主でもある。

 ユニバーサルやワーナーが日本でも積極的に曲を提供する、とうわさされるが、日本での2社のシェアは合計で2割弱。その影響力は大きいとはいえない。

 「日本は世界2位の市場。そこで普及させるための強いチームも用意した」(グレー日本法人代表)。警戒心の強い日本の音楽会社に対し、スポティファイは魅力的な条件を提示できるか。日本攻略の本気度が試されている。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140322-00033142-toyo-bus_all

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