2013年6月19日水曜日

中国が最速奪回、スパコン「天河2」1位 日本の「京」4位

 「2位じゃ、駄目なんでしょうか」という蓮舫議員の「迷セリフ」をすぐ思い出させられるニュースです。一緒に引用したニュース記事でくどく言っていたのは、一位というのは、ただ一つのランキングではなく、その国の経済成長の起爆剤ではります。

MSN・産経新聞 2013.6.17 17:33 [先端技術]
 世界のスーパーコンピューターの性能ランキング「TOP500」が17日、ドイツで開催中の国際会議で発表され、前回(昨年11月)3位だった理化学研究所の「京(けい)」(神戸市)は4位に後退した。1位は2年半ぶりに中国が奪還し、米国は2位に転落した。

 1位は中国・国防科学技術大学の「天河2」。計算速度は毎秒3京3862兆回(京は1兆の1万倍)で、2位の米オークリッジ国立研究所の「タイタン」の約1・9倍、「京」の約3・2倍を達成した。3位、5位は米国勢が占めた。

 京は理研と富士通が共同開発。平成23(2011)年6月、同8162兆回の計算速度で日本勢として7年ぶりに世界一を達成。同年11月、同1京510兆回に性能を高め連覇したが、米中の激しい追い上げで順位を下げている。日本は世界一奪還を目指し来年度、京の100倍の性能を持つ次世代機の開発に着手する。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130617/trd13061717340014-n1.htm

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「2位じゃ駄目」な理由 科学技術こそ日本の生きる力
2013.4.30 07:38 [先端技術]
 「2位じゃ、駄目なんでしょうか」-。

 民主党政権が誕生した2009年、無駄遣いカットの切り札として鳴り物入りで始まった「事業仕分け」。蓮舫参院議員が放ったこの一言で、一躍クローズアップされたのが、昨年本格稼働した神戸市のスーパーコンピューター「京」だった。(フジサンケイビジネスアイ)

 この発言を受け、予算は「凍結」されたが、これにノーベル賞学者らが猛反発。最終的にゴーサインが出た結果、毎秒1京(京は1兆の1万倍)回の計算速度を達成し、11年6月のスパコン性能ランキングで世界一に輝く。

 “偉業”ゆえに、国民は拍手喝采し、報道合戦も盛り上がったのだ。新幹線、東京タワー、瀬戸大橋…。戦後、資源小国の日本が奇跡的な高度成長を成し遂げたのは「世界一」「世界初」に挑んだ科学技術の賜物(たまもの)だ。最初から2位を目指すのであれば、研究者の意気は上がらず、世界を驚かせる技術革新も生まれなかっただろう。京は、人工島「ポートアイランド」に作られた神戸医療産業都市の一角にある。柱が1本もない50×60メートルの広々とした部屋には、電話ボックスほどの計算機864台が整然と並び、それぞれの計算機をつなぐ約20万本のケーブルを1本につなぐと、東京から博多までの距離(約1000キロ)に及ぶという。

 地球上の全人口70億人が24時間不眠不休で毎秒1回計算して17日間かかる計算量をたった1秒でやってのける怪物マシンだ。

 「蓮舫議員の迷セリフのおかげで、国民の関心が高まったのは否めない」。関西財界の幹部は苦笑混じりにこう漏らしていた。富士通と共同開発した理化学研究所の野依良治理事長は「科学技術こそ日本の生きる力。世界一の京は国際的に優れた人材の吸引力になる」と発言。安倍晋三首相も就任直後に京を見学し、「やはり世界一を目指さないと駄目だ」と強調した。

 ただ、京が「世界一」の座を保ったのはわずか1年。昨年11月のランキングでは3位まで転落した。1位を獲得したスパコンの性能は、数年後には500位レベルになるというデータもあり、当初から2位を狙うと実用化段階では時代遅れになっているかもしれない。

 「864台をフル稼働すれば高性能だが、中枢部品であるCPU(中央演算処理装置)一つ一つの計算速度は汎用(はんよう)機並み」。国内大手メーカーからは、早くも不満の声が上がっている。

 産業界の期待に応えられなければ、工場だけでなく、“頭脳”である研究開発拠点の海外流出も懸念されてくる。

 SMAPの人気曲で歌われた「ナンバーワンにならなくてもいい」との歌詞は多くの共感を呼んだが、科学技術の世界はトップを狙うべきではないだろうか。アベノミクスの成否は、国の科学技術への力の入れ具合にあるのかもしれない。

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