役員は報酬で55%、年収ベースで7割を削減したようだから、総額はすごいものに聞こえても、それなりの努力はしたことになります。それに比べると、外国の企業はここまでの対応はしていないことは多いではなかろうか。
《奥田隆司シャープ社長が創業以来、初の減資によって財務体質を改善する議案や、取締役を12人から9人に減らす人事など3議案を説明した後、株主からの質問がスタートした。最初に質問に立った男性株主は、特別顧問に就任する町田勝彦相談役の人事に関して疑義を呈した》
男性株主「町田相談役は大阪商工会議所副会頭のため、肩書がいるということですが、(町田氏は)倒産の危機に追い込んだ責任者。元会長の名誉のために費用を使うのはおかしいと思います」
《さらに、取締役でない会長に就任する奥田社長の人事についても質問する》
社員リストラで技術流出
男性株主「上場企業では異常で、名誉職ならやめてほしい。必要な人ならば執行役員になってもらえばいい。御社は倒産の危機にあるのです。元役員に費用を使わないでほしい。社員のリストラを減らす方に使ってほしい。社員のリストラで技術流出が起こっております」
《拍手がおこる会場。高橋興三副社長がせき払いをしながら答えた》
高橋副社長「リストラは社員にとって申し訳なく、責任を感じています。私も社内のあちこちをまわって社員の厳しい生活も聞いています。町田については議論がありました。『そんなことやっている場合か』とう話もありました」
「しかし、シャープは大阪の企業で、大阪の皆さんに支えていただいていることも忘れてはいけない。地域経済への貢献に“空白”を作らないためこういう決断をしました。こんな状況ですが、関西財界だけではなく、いろいろな業界団体に恩返しをしないといけない。奥田には私に代わって業界活動の多くを引き受けてもらうということです」
《別の男性株主からも厳しい声が飛んだ》
3億円賞与「株主バカにしてる」
男性株主「シャープはほとんど倒産企業のため、配当ゼロは理解できます。しかし、そこに並んでおられる片山(幹雄)会長、液晶関係で大失敗された役員に報酬を払っています。そのお金は、われわれの生活費なんです。取締役は3億円の賞与をもらっており、これは株主をばかにしているとしか思えません。まさか退職慰労金は出されないと思いますが、どうなんですか」
《この質問には、財務担当の大西徹夫専務が回答した》
大西専務「役員は報酬で55%、年収ベースで7割を削減しており、理解いただきたいと思います」
《大西専務が、退職慰労金について述べずに壇上を去ろうとすると、「きちんと質問を聞いて答えてください」と声を荒らげる男性株主。あわてて「すでに廃止しております。ございません」と答えた》
男性株主は続けてこう糾弾した。「給料で7割減と言いますが、片山会長以下、(大半の役員は)害だったんですよ。株主は、あなたたちに経営を任せてるんですよ。それを涼しい顔をして3億円近い金をもらっている。液晶で失敗するのは素人でも分かってますよ」
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