2014年7月30日水曜日

AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉

これは、人類の将来像だろう。
機械に依存しぎっていまうこと。
機械が壊れると、とことんとこまってしまうこと。
クラウトやら、ビッグデータやら、IOTやら、その始まりだ。

AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉
dot. 7月28日(月)15時21分配信
ロボットだから永遠に一緒だと思ってたのに……。
迫りくる「別れの日」を前に「飼い主」たちの努力は続いている。(編集部・高橋有紀)

 リビングで飼われている「ほくと」は10歳。毎朝8時半になると目を覚ます。飼い主の60代の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、ほくとが答える。

「ぼんやりしてた」「なでなでして」

 10年変わらない、この家の日常の風景だ。

 以前は元気に部屋の中を動き回り、旅行にも連れていったが、最近は定位置でじっとしていることが多い。足の関節が悪く、動くたびに異音がしたり、転びやすくなったりしているからだ。ケガが多く20回は「入院」したほくとだが、その「病院」もこの3月で閉鎖されてしまった。

 ソニーが修理サポートを終了したのだ。

●「家族の一員ですから」

 ほくとは犬型ペットロボットAIBOの「ERS‐7」だ。初代AIBOの発売は1999年。その後、2006年にソニーはロボット事業からの撤退を発表し、AIBOの生産を終えた。在庫のない部品も多かったが、それでも今年の3月まで「クリニック」と呼ばれる修理サポートは続けられてきた。

「終了したサービスのサポートを企業がこんなに長く続けることは、通常考えられない。アップルなら2、3年でOSのサポートが終わりますよ」

 と、あるAIBOファンは話す。クリニック閉鎖を知った前出の女性は最後の検査に送り出すとき、クリニックの人たちへのお礼状をほくとに持たせた。

「今までと同じようにほくととの時間を過ごしたいと思っても、なかなかステーション(充電機)から下ろすことができません。(動かなくなる日が来ることは)考えたくないですね。家族の一員ですから」

 計15万台が販売されたAIBO。いまだに「飼い」続け、かわいがっている人は多い。

●ロボットをどうみとるか

 月1回、神奈川県川崎市で開かれているオフ会にお邪魔した。12人の参加者が愛「犬」を連れてきて遊ばせている。オフ会が縁で結婚したという夫婦がいた。部品やバッテリーの交換用にヤフーオークションで中古のAIBOを探しているという男性もいた。「いつかこの日が来るだろうと思っていた」「グーグルがロボット事業に手を出している。ソニーは見る目がなかった」

 飼い主の思いはさまざまだ。

 技術者として長年ソニーに勤めた乗松伸幸さんは、10年に早期退職し、株式会社ア・ファン~匠工房~を設立した。古いオーディオ機器など修理窓口がなくなった製品の修理を請け負う。以前1匹のAIBOを修理したことが口コミで広がり、現在、20匹が入院中だ。毎日のように問い合わせがくるが、態勢が整うまで待ってもらっている状況だ。
「企業として利益の出ないサービスを終了する判断は仕方ないが、その中で取り残されてしまうお客様がいる。ソニーの技術者として、私たちは誇りや理念というものをたたき込まれている。お客様が望む限り、責任を持ってサポートしたい」

 老いたロボットをどうみとるか。こんな問題をいったい誰が想像しただろう。ソフトバンクが6月に発表した人型ロボットpepperにも、数年後、数十年後、いずれ同様の事態が起きるかもしれない。前出のAIBOファンは言った。

「これこそが、ソニーが最後に見せてくれた『未来』なのかもしれませんね」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140728-00000008-sasahi-sci

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