2014年4月30日水曜日

なぜニュースアプリを使うと「飽きる」のか——原因は“釣りタイトル”(たぶん)

大変同感を持てるものが多いです。
どちらかといえば、R25やFlash、Friday的な内容が派手で、薄いものが多いです。
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Business Media 誠 4月30日 11時42分配信
●仕事をしたら"ニュースアプリ"ができた: 4月×日。青山一丁目(港区)にある、とある焼き鳥屋でO君がこんなことを言ってきた。【拡大画像や他の画像】 「ドイさんって、ニュースアプリ使ってます? Webにはたくさんの記事があるけど、それをひとつのアプリで読むことができるアレね」 ワタクシのスマートフォンにもいくつかのアレが入っている。例えば、SmartNews、Antenna、Gunosy、Pressoなど。片手でさまざまなジャンルのニュースを読むことができるので、便利は便利。手羽先、砂肝、なんこつを食べながらでも読むことができるので、便利は便利。ビールをグビグビ、日本酒をチビチビ飲みながらでも読むことができるので、便利は便利。 しかし、なぜか「飽きてしまった」のだ。もちろんニュースに飽きたのではないし、アプリに飽きたのでもない。「飽きた」という表現が間違っているかもしれないので、周囲の人たちに聞いたところ、複数の人から「オレも飽きた」「ワタシもワタシも」という答えが返ってきたのだ。 なぜニュースアプリを使うと飽きるのかな? と、つぶやいたところ、O君はニヤリとして、こんなことを言ってきた。「その疑問、ぶつけてみましょうよ。Gunosy(以下、グノシー)に知り合いがいますんで、紹介しますよ」と。 よくよく考えてみたら、ニュースアプリには普段からお世話になっているし、どんな記事が読まれているのか——読者の行動履歴のようなものを教えてもらったら、今後の取材に役立つかもしれない。そんなこんなで、ニュースアプリ「グノシー」を運営している福島良典社長にうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。 →本記事、後編●「飽きる」原因は"釣りタイトル"!?土肥: 前回はグノシーのユーザーはどんな記事を読んでいるのか。大量のデータの中から行動履歴をひも解いていただきました。またユーザーに長く利用してもらうために、いろいろな工夫をされているという話もしていただきましたが、ひとつ疑問があるんですよ。それはニュースアプリを使っていると、なぜか「飽きてしまう」。 この「飽きた」という表現は間違っているかもしれないので、周囲の人たちにも聞いたところ「実はオレもオレも」「ワタシもワタシも」という声があったんですよね。で、なんでこのように感じるのかなと考えたのですが、ひょっとして"釣りタイトル"の記事が多いことが原因ではないでしょうか。 例えば「彼女に嫌われない5つの方法」といったタイトルの記事がある。男性だったら、ついつい読んでしまうと思うんですよ。どれどれと思ってクリックすると、中身が薄いことがある。こうしたことが1回や2回であればいいのですが、3回、4回と繰り返す。そうなると「もうこの手の記事は飽きた」という気持が、いつの間にか「このニュースアプリには飽きた」となるのかもしれない。福島: ドイさんがご指摘された点は、大きな課題として受け止めています。いわゆる"釣りタイトル"の記事は「タイトルと内容が違うじゃないか」「あ〜、内容薄いなあ」などと感じますよね。こうした記事をどうすればいいのか。例えば、滞在時間の短い記事は落とす、というのもひとつの方法でしょう。タイトルと中身がマッチしていない記事は落とす、というのもひとつの方法でしょう。逆に言えば、いい記事についてはどんどん掲載していかなければいけません。土肥: 少し話はそれてしまうのですが、「飽き」は人間にとって切っても切り離せないことだと思うんですよ。例えば、どんなにおいしいラーメンだと思っていても、毎日食べていたら必ず飽きる。どんなにおもしろいゲームだと思っていても、毎日やっていたら必ず飽きる。人は日常的に「飽きる」ことに慣れているので、新しい刺激を求めながら生きています。「おいしいモノを食べたい」「これまで行ったことがないところに行きたい」といった感覚って、新しい刺激を求めているからですよね。 そのように考えると、今後のニュースアプリは2つの方向に絞られるのかもしれません。1つは、先ほど福島さんがお話されたように、タイトルと中身がマッチしていない記事をどんどん落としていって、ユーザーに「この記事は読んだことがない。面白い」という刺激を与えることができると、読者はどんどん増えていく。 もう1つは、これまでのニュースアプリにはない、なにか新しいサービスが出てるかも。うまく伝えることができないのですが、これはスマホを使っているうちにできるサービスかもしれませんし、新しいデバイスが登場したときに生まれてくるサービスなのかもしれません。いずれにせよ、ユーザーの「飽き」を排除して、「なにこれ? 新鮮!」と感じさせられるアプリが生き残っていくのかもしれませんね。●ニュースアプリを運営していて、指摘されること福島: ドイさんはグノシーを利用されているということなので、こんな経験をされたことありませんでしたか。例えば、カテゴリー「社会」の中に、同じような記事が掲載されていることが。土肥: あります、あります。例えば、「ビッグダディ5度目の結婚」といった記事を、5度読むとか(笑)。福島: さすがに5度もないかと思いますが、以前のグノシーでは同じような切り口の記事が掲載されていました。なので、ユーザーも「また同じような記事か」と感じられていたかもしれません。ただ、いまでは仕組みを変えて、同じページに同じ記事が掲載しないようにしています。 少し話は変わるのですが、大きなニュースの場合、どうしても同じような切り口の記事が増えますよね。でも、うまく時流をとらえていながらユニークさがある記事は、よく読まれていますね。 例えば「ビッグダディ5度目の結婚」について。この情報が流れたとき、どのニュースサイトにも「ビッグダディ再婚しました」という記事が並んでいました。さすがに同じような記事を読んでいると食傷気味になりますよね。またか、と。ただ、そうした中でも、あるサイトに「ビッグダディの再婚相手、初披露」という記事がありました。こうした切り口は、時流をとらえながらユニークさがある。僕もついつい、読んじゃいました(笑)。あっ、中身があるかどうかは別にして……。 ニュースアプリを運営していると、よくこんな指摘をされます。「アルゴリズムを使って、クリック率が高い記事を選んでいると、同じ記事ばかりになってしまう」と。この指摘は重く受け止めていて、今後は「情報の価値」をきちんと評価できるようにしなければいけません。土肥: その問題を解決するために、いま動いているのですか?福島: はい。少しエラソーな言い方になりますが、Googleの検索、FacebookのSNS——どちらも世界中の人たちが利用されていますが、簡単なものであれば10人くらいで作れます。ゼロから作り上げたこともスゴいことなのですが、作ったあとにきちんと「改善」し続けていることのほうがスゴいと思っています。 いまのグノシーにとっては「いい記事ってナニ?」「不快に感じないようにするにはどうすればいいの?」——こうした課題を改善することが大切だと思っています。土肥: どの企業にも課題はあります。その課題はどのようにして見つけられるのですか?福島: ユーザーからはいろいろな指摘があります。ただ、声を挙げる人は、いわゆる"ノイジーマイノリティ(声高な少数派)"。もちろん貴重なご意見だと思うのですが、それ以上に、貴重な意見があるんですよね。それはユーザーのログ。 例えば、スワイプしてくれなくなったら、その原因をログの中から読み解かなければいけません。なぜスワイプしてくれないのかと。そして、スワイプのスピードに原因があるのでは? という仮説を立てて、改善していかなければいけません。また、直帰率(訪問したユーザーがサイト内の他のページに移動せずに離脱すること)が高い記事が上のほうに掲載されていたら、それは不満の原因になるかもしれません。そうした仮説をログから読みとって、解決していかなければいけません。 ログは無限に集めることができます。その中からどこをどのように改善していくのか。それが今後のニュースアプリの競争になっていくのではないでしょうか。●"脅威"はいまの学生土肥: ニュースアプリってたくさんあります。グノシーにとって"脅威"ってなんでしょうか?福島: 競合他社を気にするというのはもちろんですが、自分たちに食われないようにしなければいけません。どういうことかというと、ある程度成功体験を積んでしまうと、「このやり方が正しい」と思い込んでしまう。そうなると、変われなくなりますよね。そこは注意しなければいけません。 ただ、本当の脅威というのは、いまの学生でしょうね。ITの歴史は若い人たちが塗り替えてきたので、新しい感性に気づけなくなることに注意しなければいけません。土肥: グノシーのサービスはスマホの登場によって、生まれました。ということは、新しいデバイスの登場によって、「それについていけなくなるかもしれない」という不安はないですか?福島: いえ、デバイスが変わるということは、脅威に感じていません。むしろチャンスだと受け止めています。例えば、メガネでニュースを読む時代になったら、そこにチャンスが生まれる。デバイスが変わるときというのは、いろいろな体験が変わる瞬間でもあるので、そこを見逃さなければ成長できるチャンスがあると思っていますね。 僕たちはハードを提供しているのではなく、ソフトを提供しています。デバイスが変わる瞬間に、自分たちの強みを生かしていきたい。強みというのは、ユーザー別に「いいニュースとは何か?」を把握していることですね。土肥: なぜこんな話をしたかというと、PCの時代はYahoo! が圧倒的な強さを見せていたのですが、スマホを使ってニュースを読む人が増えたのに、その流れにちょっと遅れてしまった。Yahoo! が「どうしようか」と攻めあぐねているスキマをぬって、ニュースアプリがどんどん誕生した。ということは、新しいデバイスが出てそれが主流になるころには、これまでにはない発想のアプリが出てくるかもしれない。あっ、ということは、やはり脅威なのはいまの学生ですかね。●エンジニアにとって大切なこと福島: 学生は新しい感性で挑んでくるので、やはり怖いですね。プログラムの世界は年齢が関係なく、思考能力とセンスが大切。いまの高校生は優秀な人が多く、僕よりもすごいプログラムを書けるんですよ。土肥: それは高校時代のご自身と比べて?福島: いえ、いまの自分と比べて(涙)。モノを作るうえで何が大切になってくるかというと、感性なんですよね。「こういうのが楽しい」「こういうのは流行っている」といったことが分かっている人は強い。 「ツイキャス」ってご存じですか。これは無料でライブ動画を配信できるサービスですが、いまの高校生の半分くらいが使っているんですよ。もちろんアカウントを2つ以上持っている人もいると思うので、実際にはもうちょっと少ないと思いますが、それでもものすごい割合で利用している。 例えば、飲み会の席の様子を生中継する、というのはどうですか?土肥: うわー、それは嫌ですねえ。いろいろなことがバレてしまう(笑)。福島: ですよね。僕も嫌。感覚として理解できないんですよ。むしろ、隠したいですよね。でも、いまの高校生は違う。積極的にプライベートを見せたがっているんですよね。土肥: つまり、好き・嫌いは別にして、高校生のそうした行動を理解しなければいけないということですね。福島: はい。でないと、いずれ飲み込まれてしまう。土肥: じゃ、とりあえず、「福島社長の1日」といった感じで、生中継しましょうよ(笑)。福島: いやいや、それだけはご勘弁を。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140430-00000028-zdn_mkt-ind

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