2014年2月7日金曜日

中国製品とともに大気汚染も米国へ 「公害肩代わり」製造委託のツケ

 ここでは初めて少し「良心的な」ことを言っているでしょう。
 アメリカやヨーロッパで使われる多くの製品は中国で製造されています。中国の大気汚染の一部はその製造過程で生まれているのは間違いないでしょう。
 自分の国で設計し、3Kは何Kの汚い仕事を他の国で行うのは、昔のような植民地略奪とそう変わらないでしょう。
 それで、偉そうに人権問題どうこういうのは、あまりにも図々しすぎないでしょうか。

 中国の輸出品メーカーから生じる大気汚染が太平洋を横断し、米西海岸に到達している。このように指摘する論文が米科学アカデミー紀要に掲載された。

 米カリフォルニア大学アーバイン校が発表した今回の論文は、中国にある携帯電話からテレビまでさまざまな輸出品の製造工場から排出された大気汚染が米西海岸に達する様子を初めて数値で示している。

 分析によると、このような工場から排出される窒素酸化物や一酸化炭素が原因で、ロサンゼルスでは米連邦基準を上回るスモッグに覆われる日が年間で少なくとも1日増えているという。経済成長に伴い中国では大気汚染も拡大し、世界銀行の推計では、世界で最も汚染がひどい20都市のうち、16都市は同国にある。

 論文の共同執筆者で同校の地球システム科学者、スティーブン・デービス氏は「われわれは製造を委託するだけでなく公害まで肩代わりしてもらっている状態だ。そして、公害の一部が太平洋を経て戻ってきて、われわれを悩ませているのだ」と指摘した。

 論文によると、2006年に中国で排出された人為的硫黄酸化物の36%、窒素酸化物の27%、一酸化炭素の22%、黒色炭素の17%が輸出品の製造に伴うもので、うち約21%は米国向け製品に端を発していたという。

 カリフォルニア大学は、ぜんそくやがんなどの疾患に関連する黒色炭素が特に問題だと指摘している。

 論文は、偏西風に乗って大気中化学物質が太平洋を横断し、汚染物質が危険なほどまでに急増する可能性があると分析。粉塵(ふんじん)やオゾン、炭素がカリフォルニア州などの西海岸諸州の渓谷に蓄積する公算があるが、米国での大気汚染のほとんどは中国の影響によるものではないとも付け加えた。

 中国では、スモッグや環境の悪化が国民の健康や経済に影響を与えているという世論が高まっており、習近平国家主席は大気汚染に取り組むことを約束した。中国環境保護部は今年1月、全ての省と地方当局に対し、大気汚染物質を4分の1削減するように通知した。

 中国の環境NGO(非政府組織)「公衆と環境研究センター」の設立者、馬軍氏は「世界的にも例をみない中国のスモッグは昨年1月に発生し始めた後、数十の省に広まり、数カ月続いたため、6億人以上が影響を受けた」と説明した。

 また、香港城市大学エネルギー環境研究科大学院のジー・ニン准教授は「大気汚染に国境はない。中国から米国へも渡るが、その反対もあり得る」と語った。(ブルームバーグ Natasha Khan)

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