2013年3月11日月曜日

次期法王 本命不在 あすからコンクラーベ

 ローマ法王ベネディクト十六世(85)の退位に伴う、法王選挙「コンクラーベ」が十二日に迫った。二〇〇五年の前回にも増して本命不在とされる中、欧州メディアはイタリア人のスコラ枢機卿(71)ら数人を有力候補として挙げている。カギとなりそうなのが権威失墜の危機にある法王庁(バチカン)の改革に対する姿勢。改革重視派か慎重派かが重要な投票の軸になっている。

 投票権を持つ枢機卿は四日からバチカンで新法王にふさわしい人物像について連日検討を重ねている。フランス人枢機卿はAFP通信に対し、すでに六人前後に候補が絞り込まれたと語っている。

 イタリア紙レプブリカは、ミラノ大司教のスコラ枢機卿が、より透明な法王庁の運営を求める米国の枢機卿らの支持を集めており、改革派の筆頭候補になっていると報じた。法王候補の一人で、教会の権威主義を批判してきたオーストリア人のシェーンボルン枢機卿(68)もスコラ枢機卿を支持しているという。

 一方で、急進的な改革に対抗するイタリア人グループは、サンパウロ大司教のシェレル枢機卿(63)を推していると報じている。このほか、カナダ人のウエレット枢機卿(68)も有力候補の一人とみられる。

 ベネディクト十六世の約八年間で、聖職者による子どもの性的虐待問題が世界各地で深刻化し、法王庁の金銭スキャンダルや内部抗争も暴露された。特にバチカン以外にいる枢機卿の間で、法王庁に対する不満や浄化を求める声が高まり、今回の選挙に大きな影響を与えている。

 このほか、同性婚や中絶などを認めない伝統的姿勢をめぐる保守派、リベラル派の対立軸も存在。アジアやアフリカなど欧州外から新鮮なイメージの法王を選ぶ動きもあり、複雑に絡まった要素が投票の行方を分かりにくくしている。投票をめぐる駆け引きや話し合いはコンクラーベ開始後も続くとみられる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013031102000127.html

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