2015年8月13日木曜日

上質な溶けていくようなボケを見せるDistagon――カールツァイス「Batis 2/25」

これはまたまたソニーフアンにたまらない一品ですね。
ソニーα7シリーズにふさわしいものでもあります。
予算があれば即買いし、αの最大な魅力を引き出しにとりかかるでしょう。
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 カールツァイスから、ソニーのフルサイズEマウント向けAFレンズが登場した。焦点距離はツァイスファンならニヤリとしそうな25ミリ。その新しいレンズの名は「Batis」だ。

 独特でツルンとしたレンズデザインは、一目でツァイスのミラーレス一眼用レンズと分かるそれである。やや控え目だがしっかりと自己の存在を主張する意匠は、レンズ単体だけでなくソニー「α7 II」に装着してのトータルでのルックスも素晴らしいものにしてくれた。どことなく品があってたたずまいを美しく感じることができる。

 さて、このレンズの目新しいところは距離目盛窓だろうか。一般的な距離目盛と違い、Batisでは有機ELを採用しているのだ。これにより暗い場所での視認性も高まるし、被写界深度の表示も可能になっている。これはちょっと面白い。またマウント部にシーリングもされており、防じん防滴仕様となっているところも見逃せない。

 Batis 2/25をα7 IIにつけ、ブラブラと撮り歩いたが、その重量バランスとホールド感がとてもよく、小気味よく撮影ができた。オートフォーカスもまずまずのスピードと正確さがあり、なによりもサイズ的に自分の手にピッタリだったからだろう。

 写りもツァイスらしくとてもいい。特殊低分散レンズと非球面レンズを採用したDistagon 8群10枚構成で、画面中央はもちろん隅々まで安定した描写である。どことなくしっとりとした色再現なのだが、きめの細かい被写体の立体感や、上質な溶けていくようなボケなどがとても気に入った。開放値がF2と明るいので、ドキュメンタリーから風景、そしてスナップなど幅広い撮影ジャンルで活躍するレンズだと思う。

 三浦半島の先端から太平洋を臨む。台風接近でパワーのある波が打ち寄せてきていたが、その色合いと溶け込んだ泡沫が美しく描写されている。実に頼もしい写りだ。

 秋葉原の路上で出会ったネコ。その瞳にフォーカスしてシャッターを切った。やや薄曇りの日であったが、その光の感じ、ネコの毛のディテールが思った通りにキャプチャーできた。AFも正確で高速だ。

 開放値がF2と明るいので、このレンズは暗所でも活躍するレンズになるだろう。有機ELを採用した距離目盛窓は闇夜でのMF撮影時に役立つに違いない。

 このレンズは近景から遠景まで穏やかでそつのない写りを見せてくれる。構えた時の手触りもよく、シャッターを切るのが楽しくなる仕上げだ。

 ボケ味も美しい。博物館の手すりを絞り開放で撮ったものだが、スーッと自然に拡散されていく上質なボケと、落ち着きのある色合いがツァイスらしく感じる。

 被写体から細部を写しとる性能も素晴らしい。経年変化でもはや何が書かれていたか判別が難しい看板だが、Batisが読み取った痕跡を辿れば何か分かるかもしれない。

 人影少ない風情のある街。その空気感と色をうまくこのレンズで撮ることができた。25ミリという焦点距離は街中スナップでなかなかいい長さである。

 被写体の自然で特長的な「風合い」を上質にうまく撮れるレンズ、という印象だ。あなたのソニーにも一本いかがだろうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000039-it_camera-prod

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