また懐の寂しさとの相談になるが、なんとも写真愛好家の心をくすぐる逸品です。
できれば、レンタルでもいいから一度試してみたいものです。
今回紹介する「Batis 1.8/85」は、以前取り上げたツァイスの「Batis 2/25」の姉妹レンズだ。光学式手ブレ補正機能を搭載した、明るいオートフォーカス中望遠レンズとなっている。
レンズの外観は、すでに発売されている「Batis 2/25」の流れをくむ。優しさを感じさせる丸みを帯びたそのルックスは、撮影対象に威圧感を与えない印象を受けた。これはポートレート撮影にいいかもしれない。無骨な機材だと萎縮してしまうモデルも中にはいるからだ。
Batis最大の特長である有機EL採用の距離目盛、マウント部のシーリングに加えて、このBatis 1.8/85は光学式手ブレ補正機能を搭載している。これは嬉しい。ボディ内手ブレ補正機能を採用した「α7 II」や「α7R II」と組み合わせると文字通り鬼に金棒である。低照度下で絞りを開放にし、低感度で手ブレ限界ギリギリまでの撮影を楽しめそうだ。
レンズ構成は8群11枚のゾナー(Sonnar)タイプ。素直で暖かみがあってクリアな描写はツァイスらしい写り。そして何よりも美しいボケ味が秀逸である。焦点距離こそ違えど、Batis 2/25と同じような、品を感じさせる“Bokeh”が何ともいえない。もちろんこちらは85ミリという中望遠レンズなので、ボケを生かした撮影を大いにエンジョイすることが可能だ。開放からチョイ絞りだと画質はピークを迎えるが、ここはあえて開放でのボケ味を堪能するのもいいだろう。
このレンズは使っていてなぜか楽しくなる。85ミリの距離感とボケ味のマッチングだろうか。金属のやや鈍い光沢感と背景のブレンド具合が気に入った。
オートフォーカスは速く正確だ。やや長めの視点に、ピンポイントに決まるフォーカスはストレスのない撮影を実現してくれる。それにしてもボケ味の柔らかさが実にいい。
つい絞り開放での撮影ばかりになってしまったが、このボケと立体感なら仕方あるまい。ややアンダー目に露出を振ってやると、ハイライトが際立ち、よりクラリティのある写真に仕上がる。
ソニーのα7 IIとのバランスはとてもいい。レンズを包むようにホールドしてシャッターを切れば、もっと暗い場所での撮影でもボディ、レンズ双方の手ブレ補正機能の恩恵を得られるはずだ。
開放F1.8という標準的な明るさだが、ボディとレンズが備える手ブレ補正機能を使えるメリットは大きい。撮影フィールドをこのレンズは大きく拡大してくれるだろう。
端正でそつのない描写は、ポートレートからスナップまで広い分野で活躍するはずだ。また防じん防滴仕様なので厳しい環境下でも安心してシャッターを切り続けられそうだ。
ツァイスに憧れるフルサイズEマウントユーザーなら、一度は自身のボディに装着してこのボケ味をメインとした描写を味わってみるのも悪くない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150827-00000020-it_camera-prod
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