2014年9月1日月曜日

求む神童―米ハイテク業界で才能発掘が過熱

一番中毒しやすい子供によって、さらなる中毒性の高いゲームを開発するのは、言って見ればもっととも「賢い」選択肢です。

が、もっとも破壊的な選択肢でもあります。

現在の社会はゲームにどれだけ病ませられれているかは、常識のある人には一目瞭然です。

しかし、現在のビジネスモデルでは、インフラや開発、維持に多大な投資をしなければいけないもので、この人間社会をさらに深刻な病気に浸さないといけないです。

できれば24時間ゲームしてほしいところでしょう。

「神童」ってニュースのネタとしては面白いが、人間の貪欲に働かせるのは卑劣です。

 アップルとグーグルがスマートフォン(スマホ)市場をめぐって戦いを繰り広げるなか、ハイテク業界の才能発掘が過熱している。狙っているのはスマホ向けのアプリケーションを開発する神童たちだ。その中には13歳の子どももいる。

 アップルが昨年発売した新型「iPhone(アイフォーン)」には動画共有サイト「ユーチューブ」のアプリが搭載されていなかった。チャンスだと思ったグラント・グッドマンくんは(14)は「何の危険もなく速く」インターネット上の動画を再生できる広告なしのアプリ「Prodigus」をあっという間に開発した。

 グラントくんが開発したiPhone向けのアプリはProdigusで2つ目だという。最近、3つ目のアプリとなるゲーム「iTap That」を開発し、事業を管理するためにマクスター・ソフトウエアという会社を作った。来週からは仕事から離れてニューヨーク州グ

レンヘッドの高校に進学する。

 「若いころに仕事を始めれば、20代で始めた人たちより有利です」とグラントくんは言う。「脳みそも若いときのほうが柔軟です」。

 グラントくんのような10代の開発者がチャンスをつかんだのはスマホが普及し、アプリ配信サービスを通じて作品を販売できる環境が整ったからだ。グーグルが昨年1年間でアプリ開発者に対して金額は50億ドル(約5200億円)以上。同じ期間にアップル

は約100億ドルを支払った。2008年にアプリ配信サービス「App Store」を開設してからアップルが支払った総額は200億ドルに上る。

 アップルとグーグルはこうしたアプリの天才たちを引き寄せつつある。アップルは12年、開発者会議に参加できる年齢の下限を18歳から13歳に引き下げ、1600ドルの登録料が免除される制度にも応募できるようにした。今年6月の開発者会議では200人の

免除枠のうち約半数を未成年者が獲得した。 アップルはこの会議でアプリ開発の過程を効率化する新しいプログラミング言語「Swift(スウィフト)」を発表した。

 グーグルは6月の開発者会議で若者向けのプログラムを立ち上げた。11歳から15歳までの子ども200人を集め、半日かけて開発者が使用する基本的なツールを紹介した。

 アップルの奨学金を獲得したグラントくんはグーグルの眼鏡型情報端末「グーグルグラス」のバッテリーの残量を表示するアプリを開発したばかり。しかし、アップルの携帯端末向け基本ソフト(OS)「iOS」向けのアプリを作るほうが好きだという。アップルという企業とシンプルさを重視していることに「夢中になっている」からだそうだ。

 母親のベッキー・グッドマンさんはプログラミングのためのサマーキャンプの代金を支払ったりコンピューター機器を買ったりすることは金銭的には大きな負担だと話す。しかし、グラントくんが充実してうれしそうにしている様子を見ると、その価値はあるという。「息子が次のマーク・ザッカーバーグになると思ってやっているわけではありません」とベッキーさんは話す。「私たちは息子にハッピーでいてほしいだけです」。

 多くの神童にとって、ニック・ダロイジオくん(18)はヒーローだ。ニックくんは昨年、自分で開発したニュース要約アプリ「Summly(サムリー)」を3000万ドルでヤフーに売却した。アップルの開発者会議では、ヤフーで開発した別のニュース購読アプリでデザイン賞を受賞した。

 授賞式の様子を見ていた16歳のダグラス・バンビーくんは「自分もいつかあんなふうになりたい」と言った。ダグラスくんはカナダのブリティッシュコロンビア州ラングレーから会場のあるサンフランシスコまで14時間車を運転し、祖父母とともにやって来た。ダグラスくんは自分自身についてのアプリを70時間以上かけて磨き上げ、自分の年齢を秒単位まで計ることができるカウンターなどの機能を付け加えて登録料免除制度に応募した。

 ダグラスくんが初めて開発したランナー向けのストップウォッチアプリ「Just Go!」は開発者会議の最中にApp Storeで発売された。アプリがダグラスくんの祖父の名前で登録されたのは、彼がまだ16歳だからだ。

 App Storeでは18歳未満の開発者はアプリを発売できないため、多くの子どもが親などの保護者の名前を使って登録している。グーグルのアプリ配信サービス「Google Play」は年齢制限を設けていないが、開発者はクレジットカードを使って口座を登録する必要があるため、クレジットカードを持てない年齢の子どもは登録できない。

 ダグラスくんは学校では「おたく」とからかわれることがあるそうだ。しかし、会議でテクノロジーに詳しい同年代の若者に会えて楽しかったと話した。オーストラリア出身のジェイソン・パンくん(17)というビジネスパートナーを見つけることもできた。

 2人はすぐにアポロ・リサーチという会社を設立し、「Slate」というアプリの開発に取りかかった。しかし、若い開発者が投資家や顧客に真剣に話を聞いてもらうのはまだ難しいそうだ。ダグラスくんは「年を取っていたらよかったかな」と話した。

男子学生の姿が多く見られたアップルの開発者会議でサラ・ラストさん(21)はひときわ目立っていた。同年代の開発者は大学に進学しない選択肢を考えている。しかし、ノースカロライナ大学の学生のサラさんは急いでキャリアを始めようとは思っておらず、コンピューターサイエンスの分野で修士号を取得することを検討中だ。それでも、仲間たちのやる気に感動したという。

 「みんな信じられないくらい頭がいい。たぶん、ほとんどの大人よりも頭がいいと思います」とサラさんは言う。「うまくできるかどうかに年齢は関係ありません」。

 アハメド・ファティくん(15)はエジプトでiPhone向けのアプリの作り方を独学で学んだと話す。「コンピューターの先生もプログラマーが何をしているのかわかっていなかった」そうだ。「友だちからは頭がおかしいと思われています。よく『一体何をしているの』と聞かれます」と語った。

 アハメドくんがプログラミングに興味を持つようになったのは、2年前にウェブサイトの作り方をおじさんから教わってから。ユーチューブの動画を見て、プログラマーが質問したり回答したりするサイト「Stack Overflow(スタックオーバーフロー)」を何度も見てアプリの開発方法を学んだそうだ。今月、アハメド君はApp Storeで車やバイクを運転している人のためにツイートを読み上げるアプリ「Tweader」を発売した。

 開発者会議は目の覚めるような経験だった。アハメドくんはサンフランシスコの町やアップルの本社、スタンフォード大学を見学したり、新しいソフトを短期間で共同開発する地元のイベントに参加したりもした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140831-00007423-wsj-bus_all

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