2014年9月5日金曜日

9月1日からの飛行機内電子機器利用について運用と対策のまとめ

初めに読んでいると、眩暈をするか、吐き気がするか、眠くなるかでしょう。

長すぎて、全然覚えられないです。

もっと簡単なことにならないでしょうか。

将来的には、GPSや高度計、加速度計、ジャイロなどのセンサーを全部載せて、今は離着陸中だと判定して、自動的に電波を発しないようにできるだろう。

あるいは、飛行機自身の制御機器をすべて妨害電波の影響を受けないようにするかです。

何しろ、人命のかかわることだから、本当に危険なら、100%安全にしないとダメでしょう。人間の自主的な行動に頼っては、絶対問題が起こります。

どうも、この案内・関係規制や規定は、他のすべてのことと同じで、抜け穴だらかで、いい加減です。いずれの場合、人身事故さえ起こらなければ、皆見て見ぬふりする。

 国土交通省(国交省)が8月7日に発表した、航空機内での電子機器使用についての一部制限の緩和が9月1日より実施されている。これまで離着陸時に利用できなかった電子機器や、使用を大きく制限されていた電波を発する機器の利用範囲も拡がる。

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 ただし、航空機ごとに運用が異なることもあって、実際に搭乗する航空機内で使用可能な機器については各航空会社に問い合わせるよう、国交省は案内している。これまでは、「ドアが閉まったらとりあえず電子機器の電源を切る」、「電波を発しない機器はアナウンスが入る離着陸前後の上空飛行中なら使える」、「機内無線LANへ接続する場合以外は電波を発する機器は使えない」といったルールで、これは言ってみれば白黒が分かりやすいルールだ。

 しかし見直し後は、利用機器の電波発射有無の違いに加え、航空機ごとに利用できる範囲が異なるなど、少々分かりにくくもなっている。

 加えて、今回の国交省の告示は、あくまで機内における電子機器利用の制限についての告示であり、総合的なことを踏まえた現実の運用は、航空会社の判断の下で行なわれることになる。

 例えば、8月7日の国交省の告示に従えば「機内無線LANシステムを搭載した飛行機なら、飛行機に乗っている間は無線LAN搭載のノートPCも常時使える」ことになる。電子機器利用ルールの観点だけで言えばその通りだが、一般的に離着陸時は「手荷物は座席の上の棚、シートポケット、前の座席の下に収納するように」という指示もあり、ノートPCはどうすればよいのか、タブレットは使っていて大丈夫なのか、など、判断に迷う場合もあるだろう。

 そこで、航空各社に問い合わせ、実際にどのような運用を行なうかのアンケート調査を行なった。すでに新ルールの施行が始まってしまっているが、夏休み期間を過ぎての施行開始になったこともあり、実際に新ルールで飛行機に乗るのはこれからのシルバーウィークや年末年始になるという人も多いと思われるので、その際の参考にしてほしい。

■ 国交省が発表した見直しの内容

 まずは、電子機器の利用制限に関する新しいルールを簡単にまとめておきたい。

 下図は、国交省が3月27日に公開した、第2回航空機内における電子機器使用における意見交換会の資料で示された、利用範囲/制限範囲を示した図と、8月7日の発表時に公開された資料から引用した新旧ルールのマトリクス表だ。この図中で、赤で示されている「×※」、「△※」、「○」の行が、新しいルールで適用されるものとなる

 そして、この告示内容を元に、電子機器利用の可否を○/×で整理したのが3つ目の図である。航空機の種類については機種や設備によってタイプ1とタイプ2に分けられる。航空機のタイプについては後述する。

 8月31日までは、航空機の種類に関わらず、利用範囲について2種類のルールしかないので分かりやすい。

 1つは、携帯電話のように機外システムへ電波を発して通信が行なわれる電子機器と、Bluetoothデバイスなど機内にあるもの同士を無線接続する電子機器については、ドアが開いていれば使えるが、ドアが閉まるというアナウンスが入った段階で電源を切る必要がある。

 電波を発する機器のうち、Wi-Fiサービスのような機内の無線LANシステムに接続する電子機器と、機内モードに設定した携帯電話などを含む電波を発しない電子機器は、ドアが開いている時に加えて、上空を飛行中にも利用できる。この場合、離陸後、着陸前に利用可否のアナウンスが入るのが一般的だ。

 9月1日からは、機内で電子機器を利用できる範囲が拡がるわけだが、機器の種類、航空機の種類ごとにルールは細かく分けられる。

 まず、携帯電話のように機外システムへ電波を発して通信が行なわれる電子機器については、従来のドアが開いている時に加えて、着陸後の地上走行中にも利用できる。ここで言う地上走行とは、着陸後に滑走路を離れ、誘導路上を走行している状態を指す。これはタイプ1/タイプ2の飛行機ともに同じルールだ。

 電波を発しない機器についても、タイプ1/タイプ2という航空機種別を問わず同じルールで、常時利用可能となった。

 航空機別に差が出るのは、機内機器へ無線接続する電子機器を利用する時のルールだ。このうち、機内無線LANシステムを持つ飛行機は全てタイプ1に相当することになる。そして、この場合は常時利用することができる。

 機内間で無線接続する機器は、タイプ1の飛行機は常時利用が可能だが、タイプ2の飛行機での利用は、ドアが開いている時と着陸後の地上走行中(つまり機外へ接続する携帯電話などと同じ範囲)に制限される。

 機外システムへ電波を発する機器、機内間で無線接続する機器は、どのようなものが該当するかについては、8月7日に国交省が発表した下記の概要が参考になるだろう。ただし、この概要にある○/×の指標は、あくまでタイプ1の航空機で利用する場合を表している点に注意されたい。

 さて、新しい国交省の告示にもある通り、新ルールでは航空機をタイプ1~4に分け、3つの区分に分類してルールを切り分ける。航空機タイプ1は区分一、タイプ2は区分二となる。タイプ3とタイプ4は区分三になるが、これは主にヘリコプターや自家用小型機などが相当し、一般的な旅客機は含まれないので本項では触れない。

 航空機のタイプについては、先述の2枚目の図に分類方法が書かれているが、通信などに必要な電波と微弱な不要電波に対する耐性を持つ航空機がタイプ1、通信などに必要な電波には耐性がないが微弱な不要電話に対する耐性を持つ航空機がタイプ2となっている。国内の主要航空会社が運用している機種をタイプ分けしたものが下記表である。

 そのほか、国内航空会社への導入実績はないが、海外航空会社による日本乗り入れが少なくない機種としてはエアバスの340/380型機もタイプ1に相当する。機内で電子機器を利用したいと考えている人は、飛行機の予約時などに使用機材の欄も、これまで以上に注意して確認した方がいいだろう。

■ 機内モードの設定方法

 上記の通り、特にタイプ1の航空機において、電子機器の利用可能範囲が大幅に拡がるわけだが、それでも機外との通信を行なうものなど、(緩和されたとは言え)制限が厳しい機器はある。また、タイプ2では機外システムとの通信が発生しなくても電波を発する機器は、依然として上空でも利用できない。

 スマートフォンやタブレットのように、搭乗からドアクローズまでの間に設定を触りやすいものはともかく、ノートPCなど設定を変更する時間を取れないケースもあるので、デバイスによっては搭乗前に設定を見直しておくべきものもある。そこで、代表的な機器/OS別に、搭乗前および搭乗時に設定すべき項目をまとめておこう。

□ Windows PC

 Windows 8/8.1では、スマートフォンのようにOSに「機内モード」の設定が用意されている。これを利用すれば、無線LAN、Bluetooth、ワイヤレスマウス、PC内蔵のWiMAXや3G/4Gモジュールといった無線通信を行なうデバイスが無効化される。

 機内Wi-FiシステムやBluetoothデバイスなどとの接続を行なう場合は、無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothを有効にする。対象となるPCはそれほど多くないとは思うが、WiMAXや3G/4Gモジュールなど機外への通信を行なうデバイスが搭載されている場合は、機内モードにしたまま、Wi-FiやBluetoothなど認められた通信のみを有効化して利用することになる。

 このほか、本体の周囲に無線機能を無効化するハードウェア的なスイッチを備える製品もあり、この場合は本体の電源を切った状態でも無線機能の有効/無効を切り替えられる。もちろん3Gモジュールなどを搭載している場合で、機内でWi-FiやBluetoothなどを使いたい場合は、OS上で個別に設定を行なう必要がある点には注意を要する。

 もっとも、最近はこのようなハードウェアスイッチを備える製品が減っており、Fnキーとファンクションキーを組み合わせたショートカットキーで無線機能の制御をソフトウェア的に行なえるようになっているのが一般的だ。この場合は電源が入っている必要があることに注意が必要で、特にタイプ2の飛行機に乗る場合は、ドアクローズ前に設定を行なっておく必要がある。Windows 7以前で手軽に無線機能の有効/無効を切り替えることができるので、所有PCの設定方法を再確認しておくことをお勧めしたい。

□ Mac

 Mac OS Xでは、「システム環境設定」にある「ネットワーク」からWi-Fi、「Bluetooth」からBluetoothの有効/無効を切り替えられる。また、それぞれの設定をメニューバーに出しておくこともできるが、その設定を有効にしている場合は、メニューバーのアイコンをクリックして表示されるメニューからも、それぞれ無効化できる。

□ Android

 電波を発信しないよう注意が必要なのは、WindowsやMacよりも、むしろスマートフォンに搭載されているAndroidやiOS(iPhone/iPad)だ。スマートフォンの場合、通話およびデータ通信のために4G/LTEや3G機能を搭載していることが多いため、機外システムに対して電波を発する通信が行なわれる状況が生まれやすい。つまり、タイプ1の飛行機に乗る場合でも、より注意が必要になるわけだ。

 そのため、搭乗前もしくはドアクローズ前に、必ず「機内モード」にすることを忘れないようにしたい。機内モードに設定するには、2通りの方法がある。

 1つは、電源ボタンを長押しして表示されるメニューから設定する方法で、こちらを利用するのが手軽だ。機内モードに設定すると、通話用の回線を含め、全ての無線デバイスが無効化される。

 もう1つはメニューボタンを押して表示されるメニューから「本体設定」を開き、“無線とネットワーク”メニューにある「その他」を開く。そこに設定欄があるので、チェックを付ければ機内モードになる。

 機内Wi-FiサービスやBluetoothデバイスなどと接続するには、“機内モードにしたまま”、本体設定のメイン画面にある「Wi-Fi」や「Bluetooth」を有効にする。通話やデータ通信が可能なスマートフォン/タブレットでは、飛行中に機内モードをオフ(つまり無線デバイスを有効)にしてしまうと機外への通信が発生してしまうので気を付けたい。

 なお、ここではNTTドコモのPalette UIを適用した端末を例にしており、利用しているランチャーによっては用語や画面に多少の差があるかも知れないが、適宜置き換えて確認してほしい。

□ iOS

 iOSも考え方はAndroid端末と同じで、通話回線を含めて機外へ通信を行なうことがないように搭乗前またはドアクローズ前に設定を行ない、機内においても、認められた範囲でしか通信が行なわれないよう設定を行なう必要がある。

 iOSのホームにアイコンが用意されている「設定」を起動すると、開いた画面の一番上に「機内モード」が用意されているので、これをオンにすることで機内モードに移行する。

 機上において認められた範囲で通信を行なう場合は、機内モードにしたままWi-Fi、Bluetoothを個別に有効化できる点もAndroidと同じだ。

■ 電子機器の利用ルールとは違う観点で禁止されるものも……

 さて、今回の電子機器利用制限の緩和に当たり、航空会社の対応に差があるかを調べるため、8月下旬に国内の主要航空会社にアンケート調査を行なった。アンケートは、ノートPC、タブレット、スマートフォン、デジタルカメラ/ビデオカメラ、ポータブルゲーム、デジタルオーディオプレーヤー、ウェアラブルデバイスという機器別の利用範囲と、保有する航空機材のタイプを問うものだ。

 協力いただいた航空会社は下記の通りで、併せて1番目の表には保有機材とそのタイプ、2番目の表に9月1日以降の電子機器利用についての案内ページのリンクをまとめている。

 結論から言うと、航空機のタイプ別、機器別での対応に、各社とも大きな差はなかった。

 利用範囲について、国土交通省の告示と異なる運用を行なっている航空会社はない。余談だが、各社のWebサイトを見ると、“離陸前のドアクローズから、着陸後の滑走が終了するまでは電波を発する機器を使用禁止”を原則として目立つように案内し、タイプ1の航空機では“機内機器同士を接続する機器なら常時利用可能”といったスタンスで案内を行なっているところが多いのが印象的だ。

 機器別の対応も、おおむね各社とも国交省の告示に準じている。デジカメやデジタルビデオカメラ、ポータブルゲーム機、ウェアラブルデバイスはもちろん、タブレットやスマートフォンも国交省の告示内容と相違する対応を行なう会社はない。

 独自に特定の機器を禁止するところでは、スターフライヤーが機外へ電波を発して通信を行なうことから告示でも禁止されているトランシーバとの見分けが難しいため、航空無線の聴取などを行なえる「VHFスキャナ受信機」を禁止することを明確にしている。また、同じくスターフライヤーおよびバニラ・エアは、通常の喫煙と誤解を招く可能性があるために「電子たばこ」を禁止すると回答した。

 ただし、ノートPCは問題になりそうだ。春秋航空日本が「B5サイズ以上」を目安に離着陸時に禁止することとしたほか、ジェットスター・ジャパンも「PCなどの大型電子機器」は離着陸の際は収納してもらうよう案内すると回答している。

 このほか、主要な国内航空会社が加盟している定期航空協会では「大型のノートPC」は離着陸時に収納してもらうという共通認識ができていると言う。同協会にはJALグループ、ANAグループ、AIR DO、ソラシド エア、スターフライヤーらが加盟している。

 定期航空協会では、これまでも航空法第73条の3および第150条に基づく安全阻害行為として8つの行為を挙げて周知してきた。9月1日からは、これに加えて、電子機器の使用緩和に関するポスターやチラシを制作し、新ルールの下で快適に過ごせるよう乗客に協力を求めていく。

 ここで気になるのが「大型のノートPC」というのが、どの程度のサイズや重量を指すかだが、定期航空協会では、使用する機材などによって現実的な運用が変わるため、「大型」という以上の具体的なサイズや重量の定義については明確にしていないと言う。

 大型のノートPCが離着陸時の使用禁止対象となる大きな理由は、「緊急脱出時の妨げになる可能性がある」ことや「正しい衝撃防止姿勢が取れない」という、安全面によるものだ。当然、離着陸時に備え付けの机を所定の位置に戻すことは従来通りであり、となると膝の上に置いて利用することになるが、これまでの「手荷物」と同様に、これは認められない。

 また、定期航空協会の担当者はもう1つ、「ノートPCは手でホールド(保持)しないものである」ことに対する危惧を理由として挙げた。つまり、ノートPCを膝の上で利用していると、大きな揺れが起きたときなどに飛散する可能性があるというわけだ。これまでも雑誌や書籍は離着陸時も機内で読まれていたし、タブレットやスマートフォンについてはサイズ云々なく離着陸時に禁止するという話はアンケートの回答に出なかった。これらは手で持って使うもの、ノートPCは手で持たずに使うもの、という違いを考えれば、こうした差も理解できる。

 ちなみに、2013年10月に制限を緩和した米国では、連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)が、「“携帯できる小型の”電子デバイス(Portable Electronic Device)の利用を拡大する」と、日本の国交省よりもやや範囲を限定した表現(リンク先は英文)を用いている。

 例えば、米Delta Airlines(デルタ航空)は米国時間の、8月1日に国際線機内で電子機器利用の新ルールを適用することを発表(リンク先は英文)しており、それについて日本語のFAQページを公開しているが、小型軽量の電子機器を「2ポンド未満」(約900g)と定義している。同社によれば、実際にノートPCはほぼ例外なく離着陸時に収納を求めていると言う。一方でタブレットとキーボードを組み合わせて使っているようなケースは、この範囲に入らないともしており、基本的には重量で区切って運用していることが伺える。9月1日以降、日本国内では国交省の告示に沿って運用するが、離着陸時の利用機器制限などは、これまでと変わらず適用していくとしている。

 このほかの機器では、着陸滑走後の携帯電話による通話は控えてもらうよう定期航空協会として呼びかけると言う。これは電子機器利用や保安上の理由ではなく、飛行機も公共交通機関の1つであるため「マナー」の観点で利用の自粛を求めていくものとなる。

 このように、一部例外的な対応が取られるものはあるものの、飛行機の上では電子機器の電源を切らなければならないという“常識”が9月1日から変わった。利用者としては歓迎したい改正だが、航空機や機器ごとにルールが細分化されて分かりにくくなったという思いもある。

 特にノートPCについては、誰にでも分かる明確な基準が示されておらず、離着陸時に収納を求められる覚悟をしておく方が良さそうだ。少々残念ではあるが、電子機器を利用できる利便性よりも、運航の安全性が優先されるのは当然のことで、こうした対応にも納得できる。国交省、定期航空協会、航空各社が例示していない機器についても、安全運航に支障があると現場で判断されれば収納を求められる可能性もありそうだが、乗務員などの指示には素直に従うようにし、新ルールが円滑に適用されていくよう望みたい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140905-00000025-impress-sci

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