2015年4月1日水曜日

暗所AFとバッファ性能が進化した快適操作の一眼レフ――ニコン「D7200」

厳しい条件での撮影にほしい一デジでしょう。
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ニコンから、APS-Cサイズセンサーを搭載した一眼レフの新作として、「D7200」が登場した。2013年に発売された「D7100」の後継機で、AFや連写、高感度などの強化を図っている。

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 外観デザインは、前モデルD7100を継承する。正面から見ると、ペンタプリズム部の出っ張りが低く抑えられた凝縮感のあるシルエットラインが際立ち、メーカーロゴの刻印部分から両サイドへとつながる曲線的な面取り処理が特徴的なスタイリングだ。

 外形寸法は幅135.5×奥行き106.5×高さ76ミリで、バッテリーとカード込みのボディ質量は765グラム。これらの数値は、D7100とまったく同じだ。APS-Cサイズセンサーを搭載した中級以上の一眼レフとしては比較的小型軽量のボディといっていい。

 上面と背面カバーの素材には高品位なマグネシウム合金を採用。手にするとしっかりとした剛性が感じられる外装だ。各接合部にはシーリングが施され、防塵防滴にも対応する。

 ホールド性については、グリップ部のくぼみがやや浅く感じるが、形状は滑らかで手になじむ。今回主に試用したキット付属の高倍率ズーム「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」装着時のバランスは悪くない。

 最初の写真は、高倍率ズームのワイド端となる18ミリ側で撮影したもの。強い光が当たった中央の建物はシャープに解像し、外壁の質感がリアルに再現されている。

 次は、高倍率ズームのテレ端で撮影したもの。開放値は特に明るくはないが、被写体までの距離が短く、被写体から背景までの距離が離れている場合には、このように背景部分はしっかりとぼけて、奥行きのある描写が得られる。

 同じく高倍率ズームの140ミリ側で撮影。このレンズは、ズーム全域で最短45センチまで近寄れるので、こうした花のクローズアップ用にも使いやすい。

 次の2枚は明るい単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」で写したもの。質量185グラムの軽量レンズであり、持ち運びの負担は少ない。描写は、開放値付近のやわらかいボケが楽しめる。

●暗所でも確実にピントが合う-3EV対応のAF

 前モデルD7100からの主な進化のポイントは3つある。1つめは、連写の際のバッファ容量が増えたこと。連写のスピード自体は、前モデルと同じく最高約6コマ/秒(撮像範囲1.3×時は、約7コマ/秒)だが、連続撮影可能コマ数は、JPEG最高画質で従来の33コマから100コマに、14ビットロスレス圧縮RAWで従来の6コマから18コマへと強化されている。

 2つめは、低輝度条件でのAF検出範囲が広がったこと。51点AFシステムのうち中央の1点は-3EVに新対応。夕方や屋内などの薄暗いシーンでのAF撮影に有利になった。次の2枚は光量が乏しい室内シーンだが、狙いどおりの点にきっちりピントを合わせることができた。

 3つめの改良点は、高感度にいっそう強くなったこと。常用感度は前モデルD7100より2段向上し、ISO25600に対応する。さらにISO51200とISO102400のモノクロ撮影も選べる。

 そのほか、発色の調整機能であるピクチャーコントロールには新たに「フラット」が加わり、各項目のパラメーターには「明瞭度」が追加。動画関連では、微速度撮影機能を搭載。付加機能としては無線LANを内蔵し、NFCにも対応した。

 撮像素子にはAPS-Cサイズ相当の有効2416万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンには「EXPEED 4」をそれぞれ搭載する。

 次の写真は、蔵造りの外観をクローズアップで捉えたもの。利便性重視の高倍率ズームのため周辺画質は高解像とはいえないが、歴史を感じる重厚な雰囲気は狙いどおりに表現できた。

 ピクチャーコントロールから「モノクローム」を選択し、明瞭度を+3に、コントラストを+2にそれぞれ設定して撮影。神殿を思わせるコンクリート建築の造形を際立たせた。

 単焦点レンズの開放値で撮影。背景をぼかして奥行きのある表現を狙った。高倍率ズームのみでは同じような写真ばかりになりがちだが、明るい単焦点を1本加えると、写真全体の流れにメリハリを与えられる。

 今回の試用では、ボディ1台+レンズ2本というスタイルで街歩きを楽しんだ。そんな気軽なスナップ用途でも、D7200のスピーディなAFと短いレリーズタイムラグが非常に快適に感じられた。小さくて短いシャッター音も気持ちいい。

 画期的な新機能を搭載したわけではないが、暗所AF性能や連写時のバッファ性能を高めたことで、使い勝手は確実に向上している。ただ個人的には、可動式液晶の採用が見送られたのが少し残念に思う。下位の「D5500」とは異なり、液晶ライブビュー撮影よりも光学ファインダーでの撮影を重視したモデルという位置付けなのだろう。

 ボディの剛性感や撮影時のレリーズの感触、各種機能へのアクセス性は、当然かもしれないがD5000系のモデルに比べてワンランク上だ。光学ファインダーを使って、心地よい操作感でスナップやポートレート、風景写真を楽しみたい人におすすめできる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150331-00000015-it_camera-prod

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