「ローパスレスの2/3型1200万画素センサーを継承」とは、ややパワー足りない感じですね。
サイズの小ささを少ない画素数でカバーするという意味では、仕方がないことです。
買う人は、発色とAFの速さを気に入っている人たちでしょう。
富士フイルムのプレミアムデジカメ「Xシリーズ」の新製品として「FUJIFILM XQ2」が登場した。2013年に発売された「FUJIFILM XQ1」の後継モデルであり、基本デザインと主要スペックを継承しながら、撮影機能をいっそう強化している。
最大の改良ポイントは、新たに「マルチターゲット オートエリアAF」を装備したこと。オートエリアAF自体は従来モデルも搭載していたが、本モデルではマルチターゲット対応となり、ピントが合った画面上の複数の位置に、最大9点のAFエリアが表示されるようになった。気軽にスナップを撮る際などに役立つ。
AFの仕組みは、これまでと同じくセンサー上の位相差画素による像面位相差AFと、コンパクトデジカメで一般的なコントラストAFの併用となる。公称のAF速度は0.06秒で、世界最速をうたう。試用では、ストレスなく快適に合焦するAF性能を実感できた。
もう1つの大きな改良は、発色の調整機能であるフィルムシミュレーションに「クラシッククローム」が追加されたこと。これを選択すると、発色はやや黄色っぽく、彩度は抑えめになる。トーンの再現は、暗部の黒をきっちりと締めながら、つぶれることなく、暗部から中間調までを階調豊かに表現できる。紙焼きしたプリントのような、落ち着きある色と階調に仕上げたいときに有効な設定といっていい。
ボディはこれまでと同じく、胸ポケットにすんなりと収まる薄型形状だ。カラーバリエーションは、シルバー/ブラック/ホワイトの3種類を用意。このうちシルバーのモデルは、従来機にはなかった銀と黒のツートーンカラーとなる。
●薄型ボディに手ブレ補正付き光学4倍ズーム搭載
レンズは、35ミリ判換算で25~100ミリ相当の焦点距離を持つ光学4倍ズームを搭載。広角から中望遠までをカバーする、一般用途に使いやすいズーム域だ。開放値はワイド端F1.8、テレ端F4.9に対応。手ブレ補正はレンズシフト式を内蔵する。
撮影モードは、フルオートからフルマニュアルまで10モードが用意され、天面のモードダイヤルを回して選択できる。ユニークな機能としては、連写と画像処理によってボケを作り出す「ぼかしコントロール」や、1回のシャッターで発色が異なる3枚を同時記録する「フィルムシミュレーションブラケット」などを備える。さらに、2枚の写真を重ねて記録する多重露出撮影や、8種類のエフェクトが選べるアドバンストフィルター、フォーカスピーキング、カメラ内RAW現像にも対応する。
操作面では、レンズ鏡胴部にあるコントロールリングによって、主要な機能を直感的に調整できることが特長だ。初期設定の場合、絞り優先AEモード時は絞り値、シャッター優先AEモード時はシャッター速度、プログラムAEモード時はプログラムシフトといったように、各モードごとにお勧めの機能が割り当てられている。必要に応じて、割り当て機能をカスタマイズすることも可能だ。
また、背面右下にある「拡張ファンクション(E-Fn)ボタン」も使いやすい。これを押すと、背面各ボタンの割り当てが切り替わり、それぞれ別の機能の呼び出しが可能になる。例えば十字キーの左は、通常はマクロモードの選択だが、拡張ファンクションボタンを押すと、ISO感度の選択に切り替わる。さらにカスタマイズもできる。
●ローパスレスの2/3型1200万画素センサーを継承
撮像素子には、従来機と同じく2/3型有効1200万画素のX-Trans CMOS IIセンサーを搭載する。画像処理エンジンは「EXR Processor II」で、感度はISO100~12800に対応。実写では、彩度とコントラストがほどよく強調された見栄えのいい画質を確認できた。
高感度については、ISO800を超えるあたりからざらざらとしたノイズが徐々に生じ、ノイズ低減処理による細部のつぶれも目立ちはじめる。画質重視の場合はISO800までの範囲で使用し、それ以上は用途に応じて判断したい。
トータルとしては、気軽に持ち運べるスナップカメラとしてバランスよくまとまった内容だと感じた。残念なのは、従来機からの改良点が少なく、モデルチェンジとしてはもの足りなさが残ること。例えばタッチパネルに対応してくれれば、より使い勝手が向上したはずだ。
高品位な薄型ボディと軽快な操作レスポンスはこれまで通りの魅力といえる。てきぱきと動く薄型軽量カメラを求める人にとっては有力な選択候補になるだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150316-00000004-it_camera-prod
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