2014年12月1日月曜日

新たに明らかにされた「Apple Watch」の主な機能

こうやって、顧客の期待を高まらせて、他のメーカーの製品への意欲を押さえるのは、アップルの常套です。
結局大したことをわかった ていても、買ったところでもう遅いです。
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AppleのWebサイトで、Apple Watchに関する情報が更新されています。先週、Apple Watch向けのアプリケーションが開発できる「Watch Kit」がリリースされ、そこで開示された情報からApple Watchでできることをあれこれ考察しましたが、今週はApple Watchの具体的な機能解説ページの内容が追加されました。まだ米国向けの英語のページしかありませんが、このページの情報から、Apple Watchの機能をひも解いてみましょう。今回追加されたのは、スマートウオッチとしての基本機能、コミュニケーション機能、それにヘルスケア&フィットネス機能の3つです。それぞれ順に見ていきます。

【文字盤のバリエーションなどの画像はこちら】

●スマートウオッチとしての基本機能

時計の文字盤

 時計の文字盤の変更機能は、発表当初から存在が確認されていましたが、かなり多彩なデザインが用意されているようです。新しく公開されたページには「traditional to playful to artful to educational」(伝統的なものから遊び心あふれるもの、芸術的なもの、教育的なものまで)と記載されています。

 詳しくはAppleのWebサイトを見ていただくのが一番分かりやすいですが、例として以下の9種類が挙げられています。

・Chronograph(クロノグラフ):複数の針が描かれた、ストップウォッチ機能などが付いた文字盤
・Color(カラー):白ではなくさまざまな色が選べるシンプルな文字盤
・Modular(モジュラー):時刻だけでなく日没時刻や月齢、アラームの時刻などを機能的に表示
・Utility(ユーティリティ):文字盤に加えて、直近のスケジュールや世界時計など3つの要素を配置
・Mickey Mouse(ミッキーマウス):ミッキーマウスの右手と左手が長針と短針になるほか、時刻に合わせてミッキーが動く
・Simple(シンプル):必要最小限の日付の数字と時計の針だけ表示
・Motion(モーション):腕を上げるとチョウが羽ばたいたり、クラゲが漂ったり、花が咲いたりする動きが楽しめる
・Solar(ソーラー):現在地の時刻をベースに、太陽の位置を図示
・Astronomy(アストロノミー):デジタルクラウンを回して太陽系の惑星や月の満ち欠けを動かして楽しめる

 毎日気分で変えてもすべてを見るのにはかなりの時間を要しそうです。

 さらに文字盤の表示は細かくカスタマイズできるようで、分刻みの線だけにするのか、5分ごとの太い線を表示するのか、数字を表示するのか、何色で表示するのか、といった細かな変更が可能になっています。腕を見たときに、自分が最も見やすいデザインが選べるわけです。

情報表示

 文字盤がカスタマイズできるのはもちろんですが、スマートウオッチらしくさまざまな情報を表示することも可能です。機能として挙げられているのは10種類。

・Alarm(アラーム):アラーム時刻
・Moon Phase(月齢):月の満ち欠けの状態
・Timer(タイマー):カウントダウンタイマー
・Calendar(カレンダー):日付とスケジュール
・Stocks(株価):指定した1銘柄の株価
・Weather(天気):指定した場所の気温
・Activity(アクティビティ):活動量のグラフ
・Stopwatch(ストップウオッチ):ストップウオッチ
・World Clock(世界時計):指定した任意の都市の時刻
・Sunrise/Sunset(日出/日没):日の出の時間、日の入りの時間

 メインの時刻表示に加えて、文字盤のさまざまな位置にこうした情報を追加的に表示できるようです。

自動時刻合わせ

 Apple Watchは、常にiPhoneと連係して動作するため、定期的にiPhoneの時計と同期して、時刻の補正をします。iPhoneの時計は、携帯電話の基地局などから正確な時刻を取得して補正されているので、これと同期すれば時刻のズレはほぼなくなるというわけです。夏時間(サマータイム)がある地域では、自動的に夏時間に合わせてくれますし、海外旅行などに行ったときにも、iPhoneの時刻が現地の時刻に自動補正されると、それに合わせてApple Watchも現時の時間に自動的に切り替わります。

ストップウォッチ、タイマー、アラーム、世界時計

 例えば腕時計には当たり前のように付いているストップウォッチ機能は、Apple Watchでは3種の表示方法があります。アナログ表示、デジタル表示と、それらの両方を組み合わせたハイブリッド表示です。ラップタイムの平均値をリアルタイムで画面上に表示するような機能も用意しています。

 またタイマー、アラーム、世界時計機能も画面が公開されています。

カレンダー、マップ、リマインダー、Passbookなどとの連携

 iPhoneとの連携が前提のApple Watchは、iPhoneのカレンダー、マップ、リマインダーアプリとも緊密に連携します。カレンダーに登録されたスケジュール情報は適宜Apple Watch側に通知され、画面を右にスワイプすると1日のスケジュールも確認できるようです。そのほかにも、天気や株価、現在地の地図、次の目的地への地図なども表示されます。

 Android Wearにもある機能ですが、スケジュールを先読みして、次のミーティングの場所へ出発すべき時間に通知を表示したり、ターンバイターン方式でナビを行ったりもできるようです。

 PassbookのデータはApple Watch側でも確認できるので、例えば飛行機に乗るときにiPhoneを出さなくても、Apple Watchで搭乗手続きができてしまうかもしれません。

カメラ、音楽、iTunes連携

 iPhone上のカメラをコントロールする機能もあります。遠隔からシャッターが切れるのはもちろん、ファイダーにもなるので、構図を確認しながら手元でシャッターが切れます。iPhone内の写真をApple Watchから閲覧することもできるようです。

 音楽の再生機能は、iPhone側に保存した音楽の再生や曲送り/曲戻しなどができるほか、Apple Watch単体でも音楽データを内部のストレージに保存して再生する機能があるようです。Apple TVやiTunesの操作機能もあるので、iOS用の「Remote」アプリのように、Apple TVをApple Watchで操作したり、Mac上のiTunesの操作をしたりもできます。

●コミュニケーション機能

 時計としての機能に加えて、コミュニケーション用の機能も充実しています。Apple Watchが発表されたときにも簡単なデモがありましたが、スケッチを送ったり、心拍を送ったりする機能がアニメーションとともに紹介されています。

よく使う連絡先の呼び出し

 デジタルクラウンの下にあるボタンを押すと、よく使う連絡先がすぐに呼び出せます。そのまま電話をかけたり、メッセージを送ったり、あるいは「Digital Touch」機能を使って絵や振動を送ったりできます。

Sketch、Tap、Heartbeatの送受信

 Apple Watchのユニークな機能の1つに、画面上にメッセージを書いてApple Watch同士で送受信できる「Sketch」機能があります。画面に手書きした簡単な絵や文字をやり取りできる機能で、書いている途中の様子なども見られるため、新しいコミュニケーションの形として提案しています。

 画面上をタップすると、その振動を相手に伝える「Tap」機能も、コミュニケーション機能の1つとして用意しています。タップのパターンが振動として相手に伝えることができます。タップの他に、心臓の鼓動(厳密に言うと脈動だと思いますが)をそのまま伝える「Heartbeat」機能も用意されていますので、実際の利用シーンは想像しにくいですが、ドキドキ感をそのまま相手に伝えることもできそうです。

iPhoneへの着信通知

 もちろん着信を通知する機能もあります。メッセージは画面に大きく「誰からのメッセージか」が表示され、腕を持ち上げると内容が確認でき、腕を下げると通知が消えるような仕様になっています。

 メッセージを確認したら、どんな返信をすべきかはその時々で変わるものですが、Apple Watchはメッセージの内容とこれまでの返信を学習し、どんな返信を返すかをレコメンドしてくれる機能があります。登録してある定型文で返信したり、笑顔の絵文字を送ったりできるようです。Siriに話しかけて、録音した音声で返信をしたり、あるいは音声認識で文字に変換したりして返信することも可能。現在地を地図付きで送ったりもできます。

 メールの着信もメッセージと同様に、Apple Watchの画面上に大きく通知されます。メールはその場で開封してフラグを付けたり、既読にしたり、未読のままにしたり、ゴミ箱に捨てたりできます。Apple Watchで開いていたメールは、iPhoneですぐに開くことができ、続けてメールの返信を打つ、といったことも可能です。

電話応答

 Apple Watchにはスピーカーとマイクが内蔵されているので、iPhoneに着信した電話をApple Watchで受けられます。通話を続けるときはそのままiPhoneに戻す機能もあります。電話に出られない場合は、Apple Watchを手で覆うと、ミュート(呼び出し音を消すことが)できます。

●ヘルスケア&フィットネス機能

 Apple Watchのもう1つの特徴は、ヘルスケア関連機能が充実していることです。心拍数(脈拍数)が取れる機能や、いわゆる活動量計(アクティビティトラッカー)の機能を内包していて、1日の達成度なども記録してくれる様子が当初デモ映像などで紹介されていました。具体的にどんなことができるのか、もう少し詳しく解説されています。

Activityアプリ

 ユーザーの1日の行動を、3つの輪でグラフ化してくれるのがActivityアプリです。3つの輪とは「Move」「Exercise」「Stand」で、Moveは消費カロリー、Exerciseは運動した時間、Standは椅子から立ちあがって動いた頻度がグラフになるようです。3つの項目それぞれに1日の目標値が設定されていて、目標に達すると輪っかがつながる仕組みです。

 Moveについては、これまでの履歴を元に、毎週新たな目標をApple Watchがアドバイス。自分にぴったりの目標値になるよう、適宜調整してくれるとのこと。理想は1日に消費すべきカロリーで、達成するとグラフが円になります。Exerciseは、早歩き以上の運動全般が計測される仕組みで、1日に約30分、こうした運動状態が記録されると輪が完成します。Standでは1時間以上椅子に座った状態が続くと警告を出すなど、体を動かすよう促す機能があり、1時間の中で1回以上立ちあがった時間が12回あると輪がつながります。

 計測したデータを元にアドバイスなどをするコーチング機能もあり、運動を促してくれます。

Workoutアプリ

 運動時に便利なアプリもActivityアプリとは別途用意されています。例えば走ったり、自転車に乗ったりするときに、時間や距離、消費カロリー、ペース、スピードなどを正確に計測してくれます。目標とすべき値を助言してくれたりするので、それに合わせて運動することもできます。

 目標に対して達成率を算出し、「あと半分です!」といったメッセージを表示する、いわゆる励まし機能も用意しているのは米国の製品らしい特徴です。運動し終わった後にサマリーを表示する機能もあります。

ヘルスケアアプリとの連携

 Apple Watchで取得した運動のデータは、履歴を一覧表示したりできるほか、iPhoneのヘルスケアアプリにも蓄積されます。こうしたデータは他のHealth Kit連携アプリからも参照できるので、サードパーティ製のアプリでも活用可能。目的に応じた活動量計とApple Watchを効果的に組み合わせて活用することで、毎日の健康維持に役立てられます。

バッジ機能

 運動などで目標を達成すると、Game Centerのアチーブメント機能のように、バッジが獲得できる機能も用意しています。自己ベスト達成時などにもほめてくれますので、モチベーションの維持に活用できそうです。

 以上が、11月27日に公開されたApple Watchに関する追加情報の情報です。先週ご紹介した、Watch Kitから考察した「見えてきた『Apple Watch』でできること」と合わせて、だいぶ“Apple Watchがどんな製品なのか”が分かってきました。

 ただ、これだけ多機能だと、バッテリーの駆動時間が非常に気になるところです。現状では毎日充電が必要になるとのうわさで持ちきりですが、果たしてどうなるでしょうか。また、発売時期もまだ明言されていません。「Early 2015」とは何月なのか。今のところ2月以降ではないかとのうわさが有力視されています。発売が米国だけ先行するのか、日本でも同時に出るのか、といった点もいまだ不明です。

 まだまだ謎が多いApple Watchですが、発売までにまだ時間があるので、今後も今回のように小出しに情報が更新される。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141129-00000006-it_review-prod

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