2014年12月18日木曜日

強力な手ブレ補正でさらに便利になったフルサイズ機――ソニー「α7 II」

手ぶれ防止効果はほぼ4ステップほどある計算です。
何より内蔵は嬉しいです。レンズのハードルはぐんと下がるはずです。
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ソニーの「α7 II」(アルファセブン マークツー)は、35ミリのフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラだ。2013年に発売された「α7」の進化モデルという位置づけで、新たにボディ内手ブレ補正機能を搭載した。

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 実機を手に取ってまず感じるのは、ずっしりとした重量感だ。α7に比べて140グラム増え、本体重量は約556グラムとなった。ミラーレスカメラとしては最重量のクラスだ。外装は、トップカバーとフロントカバーにマグネシウム合金を採用。表面にシボ加工を加えたツヤ消しの仕上げで、α7よりも高級感がアップしている。

 ボディの形状にもさまざまな改良が加えられた。グリップは大型化し、ホールド感が向上。シャッターボタンは、ボディ天面からグリップの上へと移動し、より押しやすくなった。グリップの上にあったコマンドダイヤルは、形状が変更され前面に移動した。

 カスタマイズ可能なボタンは、天面にCボタンが1つ追加され合計10個になった。また、シャッターボタンやホットシューの色、端子カバーの形状、カードスロットの向きなども変更されている。

 全体としては、より頑丈に、より高級なイメージに生まれ変わったといっていい。重くなったことは少々残念だが、大きなレンズを装着した際のバランスはいい。

●暗所でも安心して撮影できる5軸手ブレ補正

 最大の見どころは、光学式5軸手ブレ補正をボディに内蔵したこと。5軸とは、一般的な上下と左右の角度ブレのほかに、マクロ撮影時に生じやすいX軸とY軸のシフトブレ、そして夜景や動画撮影時に目立つ回転ブレを加えたものだ。

 これまでに発売された純正のFEレンズ7本のうち、レンズ内に補正機構を持たない2本の単焦点レンズはもちろん、アダプター経由で同社Aマウントレンズを装着した際もこの手ブレ補正が機能する。またメニューの設定から焦点距離を入力することで、アダプター経由で他社マウントのレンズを装着した際も補正が可能になる。

 補正にはどのくらいの効果があるのか。純正レンズの1本「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」を使った場合、個人的には、従来機α7では1/60秒がブレない限界のシャッター速度だった。だがα7 IIでは、1/4秒の低速シャッターでもブレなしで撮ることができた。十分な効果といっていい。

 使い勝手の面では、ブレ補正の状態が液晶モニターやEVFの表示にリアルタイムで反映することや、特に気になるような作動音がないことがありがたい。

●AFレスポンスと起動時間を短縮

 AFには、117点の位相差AFと25点のコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を搭載する。測距点の数は従来と同じだが、位置検出のアルゴリズムの改良、およびレンズ駆動の最適化によって、AFレスポンスは約30%高速化し、追従性については約1.5倍に高まったという。

 新旧2台を交互に使って動体撮影を試すと、確かにAF性能がよくなったことを実感できる。ただ、それでもまだ十分に快適な動体追従性と呼べるほどではない。ポートレートなどのゆっくりした動きなら問題ないが、激しく動きまわるスポーツなどを撮るためのAF性能としては、少々物足りなさが残る。

 シャッターボタンの操作感は従来機とあまり変わらず、押した際にフワッとした感触があり、ストロークは長めだ。個人的にはもう少し短いストロークが好みだが、従来機から移行したり、併用する場合でも違和感はないだろう。やや大きめのシャッター音もほとんど変わっていない。

 そのほかの改良としては、XAVC Sの動画撮影に対応したことや、映像のトーンを調整できるピクチャープロファイルを搭載したことなど、動画関連の機能強化が挙げられる。また、起動時間は約40%短縮した。

●センサーやエンジンは従来機を継承する

 撮像素子には、従来機と同じく35ミリフルサイズの有効2430万画素CMOSセンサーを搭載する。画像処理エンジン「BIONZ X」も継承し、ISO50~25600の範囲で選べるISO感度や、最高約5コマ/秒の連写などのスペックに変更はない。

 実写では、これまでと同じく精細なディテール表現力と、クセのない素直な発色、低ノイズの高感度画質を確認できた。そこに、ボディ内手ブレ補正が加わったことで、暗所でも感度をあまり高めずに済むようになった。撮影の自由度をいっそう広げる進化といえる。

 ただ操作の細かい部分には、個人的な改善要望点がいくつかある。例えば、液晶モニターとEVFの表示を切り替えるためのアイセンサーの反応が敏感すぎることや、カスタムキーに割り当てられる機能の種類が十分でないことなどだ。また、ホットシューの色または仕様が変更になったためか、市販のストロボやスレーブが発光しなくなっていたことも気になる。

 とはいえトータルとしては、フルサイズ画質を気軽に楽しめるミラーレスカメラとして充実した内容だ。手ブレ補正がある分、従来機よりもやや高価になったが、それだけの価値はあるといっていい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141218-00000086-it_camera-prod

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