2014年10月29日水曜日

デジタルカメラの父、カシオがまたやってくれた - カメラとモニターが分離する「EXILIM EX-FR10」で撮影のスタイルを広げる

よくぞ頑張ってくれたカシオ!
独自な発想で、独特なジャンルを創出するのは偉い!
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●デジタルカメラの常識がほとんど通用しない
カメラとモニターが分離するという斬新なスタイルで、発表以来大きな注目を集めていたカシオのデジタルカメラ「EXILIM EX-FR10」(以下、FR10)が、ついに発売された。その発想、フォルムともに従来の撮影概念を覆す新しさ。

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世界で初めて、カラー液晶モニターを搭載した一般向けのデジタルカメラ「QV-10」を世に送り出して以来、薄型カードタイプ、サクサク動作、ハイスピード撮影、自分撮りなどの革新的発想と技術でデジタルカメラ文化をリードしてきたカシオ EXILIMの最新作、FR10のファーストレビューをお届けしよう!

○デジタルカメラの常識がほとんど通用しない!

デジタルカメラは、フィルムカメラの記録部分がデジタル技術に置き換えられただけのカメラではなく、デジタルでしか実現できない機能や特長を持ったカメラであるべき---。それはQV-10以来、カシオが主張してきたことだ。FR10は、その主張が具現化された製品であるかのような印象を受ける。

まず何より、多くのデジタルカメラで守られている操作や価値観の常識が、ほぼ通用しない。一般的なカメラでは、撮影モードを選択して両手でしっかりと構え、ズーム操作で被写体をフレーミングしてシャッターを半押しし、ピントが合ったらシャッターを押す。翻って、FR10ではまず撮影スタイルを選び、カメラ部のヒンジ(金具)を折り曲げたり、カメラ部そのものを液晶モニター&コントローラー部から取り外したりすることから始めるのだ。

シンプルな「カメラスタイル」の場合でも、撮影操作は基本的にシャッターを押すだけ。シャッターの半押し操作すら不要で(シャッターボタンに半押し構造がない)、シャッターを押せば露出やピントを自動的に合わせて静止画を撮影してくれるのだ。なお、スマートフォンのように、液晶モニタ上の被写体をタッチすることでシャッターを切ることもできる。

ズーム操作は最大4倍のデジタルズームがあるが、当然画質は低下する。それでもないよりは便利なので、必要ならば使うといいだろう。撮影モードは、フルオート機能「プレミアムオート」をはじめ、「アートショット」として「TOY」(トイカメラ)、「SOFT」(ソフトフィルター)、「LIGHT」(ライトトーン)、「SEPIA」(セピア)、「MONO」(モノクローム)を搭載している。

カメラ部のヒンジを伸ばせば「自分撮りスタイル」に。このスタイルでは、使い慣れたスマートフォン感覚で撮影が可能。35mm判で21mm相当の広角レンズはフレーミングがしやすく、周囲の状況を入れ込めるため、その場の雰囲気たっぷりに自分撮り・自分たち(仲間)撮りが行える。

●EX-FR10の分離・合体やオプション類の写真をたっぷり紹介
○カメラ部分と液晶モニター(コントローラー)部分が分離・合体

液晶モニター&コントローラー部のリリースボタンを押せば、カメラ部のヒンジがスルリと抜ける。これが、FR10の目玉ともいえる「セパレートスタイル」。ヒンジの曲げ摩擦は角度を保持する力も高く、それでいて動かしやすい絶妙のあんばいだ。

ヒンジには、使い方に応じてアタッチメントを装着できる。標準でカラビナ付きストラップ、ネックストラップ、三脚ナットが付属する。オプションで三脚装着用のトライポッドマウンター、ザックのハーネスなどに付けられるマルチアングルクリップ、腕や頭部に装着できるマルチアングルベルトセットが用意されており、これらはワンタッチで着脱可能だ。

●EX-FR10の本体まわりをじっくりながめる
カメラとモニターが分離しても使用できるのは、Bluetoothによってお互いが無線接続されているからだ。これは、カメラスタイルや自分撮りスタイルのときも同様。電源をオフにしない限り、カメラとモニターは常に接続されているのである。カメラはモニターに映像を送信し、液晶モニター&コントローラー部はカメラにシャッターや再生に関する命令を送る。なお、撮影した画像や動画はカメラ側のMicro SDカードに記録される。

●日常の視点を変えるEX-FR10
○FR10が日常生活の視点も変えてしまう!?

カメラと液晶モニター&コントローラー部、それぞれがバッテリー駆動しているので、それぞれに電源オン・オフ動作、そして充電が必要。と聞くと、少々面倒に思われるかもしれない。しかし、カメラとモニターの接続は、それぞれの電源をオンにするだけできわめてスムーズに行われ、特別な操作は一切不要。これは、G-SHOCKをはじめとする腕時計分野でBluetooth接続を研究してきたカシオならではのアドバンテージだろう。ちなみに、カメラ→モニターの順に電源を入れると、さらに快適につながる。

ただし、無線通信を経由している以上、モニターに表示される画像にはほんのワンテンポ、いや0.5テンポのタイムラグがある。カメラを上下左右に振った瞬間から、わずかでもモニター表示が遅れると、やはり気になるものだ。画像再生のレスポンスも辛うじて実用可能なレベルだし、フルHD動画に関しては、モニター上の再生だと、コマ数の落ちた「簡易再生」となってしまう(当然だがPCなどではスムーズに再生される)。これらは、大容量データの高速転送ができないBluetoothを使う以上、やむを得ない。

だが、これでいいのだ。そもそも、FR10のデザインと先に紹介したスペックを見れば、このカメラが「ここ一番の写真を撮るためのファーストカメラ」でないことは、誰の目にも明らかなのだから。それより、セパレート撮影の楽しさと可能性、デザインのカッコ良さ、 IPX6・IPX7の防水性能、2mの落下に耐える耐衝撃性能による安心感などを積極的に享受したい。

その手段として有効なのが、インターバル撮影機能。インターバル撮影とは、撮影間隔(15秒/2分/5分)と撮影パターン(静止画のみ、動画のみ、静止画+動画)を任意に設定し、一定間隔で静止画や動画を自動撮影することができる機能だ。

今回は、トライポッドマウンターを使ってカメラ部を一脚に付けて、ハイアングル撮影を行ってみた。場所的な面白味のなさはご容赦いただくしかないが、撮影の可能性そのものは見出せた気がする。イベントなどでも十分活用できそうな手だ。

※IPX6:あらゆる方向からの水の直接噴流にも耐えるもの。 ※IPX7:常温で、水道水、かつ静水の水深1mの水槽に本体を静かに沈め、約30分間水底に放置しても、本体内部に浸水せず、カメラとしての性能を保持できるもの。

●自転車に乗りながらインターバル撮影
続いて、マルチアングルベルトセットを使ってカメラを頭部に装着、自転車に乗りながらインターバル撮影を試してみた。心地良い初秋の風の中、ひときわ目を引く頭部のカメラ。住宅地でアドベンチャーカメラマンさながらの出で立ちはかなり気恥ずかしかったが、写真も動画も想像以上にしっかり撮れることが確認できた(頭部に装着したカメラでまともに撮れるのかが不安だった)。ここでは動画のサンプルを掲載する。

今までのカメラでは撮れそうで撮れなかった写真や動画が、自分でもこんなに気軽に撮れてしまう。その嬉しさと楽しさが、FR10にはある。

FR10が、アクションカムの流行という流れの中で生まれた製品であることは間違いない。しかし、FR10は、テレビなどでよく見るガチなエクストリーム動画素材を撮影するカメラとはちょっと違うと思う。現実的なスペックとともに、もっと身近な、ゆるい空気を感じるのだ。

写真に表れる視点は、その人の日常生活の視点そのものだ。物事を真正面から真摯に見据える人は、被写体に対しても正対するし、変化を求める人の写真には工夫が表れる。ならば、セパレートスタイル+インターバル撮影という、今までとはまったく違った撮影方法と、モニターを離れて完全なフリーアングルになったカメラで見る風景は、あなたの日常の視点を変えるかもしれない。

高画質や表現力を追求するカメラは、それはそれで魅力的だし必要だ。でも、それとは別に、2台目3台目のカメラがFR10だったら楽しいと思う。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141029-00000014-mycomj-sci

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