2010年5月17日月曜日

中国、シックハウス症候群で年間220万人の青少年が死亡

AFPによると、中国新華社の発表では、「屋内の空気汚染に関連した健康問題で、中国国内で年間220万人の青少年が死亡している」そうです。また、「そのうち半数は5歳未満」です。さらに、「危険性の高い汚染物質にはホルムアルデヒドやベンゼン、アンモニア、ラドンなどが含まれ、中でも危険性の高いホルムアルデヒドは、中国では建材や新品家具に含まれていることが多く、数年間かけて屋内に放出される可能性があるという。」


経済の発展に伴い、汚染はつきものです。日本や他の「先進国」も似た道を歩んできたはずです。でも、悲しいことに、それを忘れて、あるいはその危険性を承知の上で、先進国の手によって、同じ悲劇を「発展途上国」に繰り返させてきました。


価格競争のために、先進国は皆大半の工場を中国のような発展途上国に移転してきました。味方によっては、行き先の国々に、経済の発展をもたらすことにはなります。しかし、その移転は現地の安い労働者を目当てにしているだけで、労働条件や産廃物処理などには、殆ど目を向けていません。価格競争は厳しいことは皆知っている通りのことではありますが、そのために、他人の幸せを失わせることまでするのは、いかがのものでしょうか。


移転の受け入れ先にも責任があることは間違いはありません。より「質」のいい生活を求めるために、過去の(文化、環境などなどの)資産、将来のことを無視して、目先の「ハイテック」や、ニューファッションなどだけを楽しむことに専念します。それを加速させていくのは、先進国から進出してきた大企業のマーケティング戦略、誘惑たっぷりで時々真実を隠すようなコマーシャルです。


その結果については、当然受け入れ先の人々は実感しているはずではあります。しかし、格差の御蔭で、被害を受けるのは、殆ど無力な貧乏そうで、裕福層には基本的に及びません。それで、社会的な反響はおそくなり、実際政策の策定はさらに遅れることになります。


現に中国では、環境汚染はこれだけひどくなったのは、一年二年の問題ではありません。しかも、すぐ解決できるものでもありません。まして、問題を起こしてきた国内外の企業はそれで、一気に環境改善に動いてくれるわけでもありません。


これは、すべて文明という恐ろしい存在の御蔭でしょう。



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