2015年9月24日木曜日

フルサイズならではの立体感と4240万画素による豊かな描写――ソニー 「α7R II」

 画素数が多ければいいというわけでもないという主張はよく分かるが、場合によっては確かに魅力的なものでもあります。

 ソニーのミラーレスフルサイズ一眼カメラ「α7R II」が登場した。約3640万画素を誇った「α7R」の後継となるこのカメラ最大の特長は、約4240万画素というCMOSセンサーを採用したことと、399点像面位相差AFを実現したこと、それと5軸のボディ内手ブレ補正機能を搭載したことだ。外観などはすでに発売済みの「α7 II」とほぼ同じなのでそちらの記事をチェックして頂きたい。

 α7R IIで一番気になるのはやはりその写りであろう。約4240万画素を気軽に撮影できるのか、という点だ。結論から言うとブラブラとこのカメラを片手に、街中とモデルを撮影したが、なかなかの好印象であった。高画素になったので微細な手ブレが目立ってしまうのではないかと心配したのだが、裏面照射型となった約4240万画素CMOSセンサーと5軸ボディ内手ブレ補正機能のマッチングのおかげで安心してシャッターを切ることができた。高感度特性も向上しているので、暗いシーンでも手ブレの心配が少なく、さまざまなシーンで高画素を味わうことができるカメラだ。

 また世界最多の399点像面位相差AFセンサーによる「ファストハイブリッドAF」もいい。フレーム内に広く測距点があるため、一眼レフと比較して容易にピント合わせが可能だった。フレーム中央部でなくともススッと的確に合焦するのは気持ちいい。またそのスピードと追従性も向上しており、歩いているモデルに正確にピントを合わせ続けながら、秒間約5コマで約4240万画素というサイズで撮影できるのだ。これは嬉しかった。

 α7R IIは、約4240万画素を手ブレとピンぼけの心配少なく、低感度から高感度まで美しく、秒間約5コマというスピードで小気味よく撮影できるフルサイズミラーレス一眼カメラであった。価格はちょっと高めだが、手にしてみるカメラだと感じた。うーん、4K動画も単体で撮影できるようになったし、これはちょっと欲しくなってしまったぞ。

 新しいCMOSセンサーによる約4240万画素の緻密感とローパスレス構造によるシャープさはとても魅力だ。色乗りも自然である。

 約4240万画素ともなると、わずかなピンぼけや手ブレも目立つようになってくるはずだが、α7R IIなら心配無用だ。しっかりとカメラをホールドしてシャッターを切れば、鮮明な写真を記録してくれるだろう。

 今回α7R IIを借りている間、ずっと天気が悪く撮影に難儀したのだが、曇天や雨天でのトーンがなかなか美しいことに気付いた。光量が少ない環境でも、よく効くボディ内5軸手ブレ補正機能のおかげで気持ちよく撮影することができた。

 α7 II同様、大型化されたグリップは持ちやすく、移設されたシャッターボタンが押しやすい。またいくつもファンクションボタンが配されているので、自分好みに機能を割り当てることができるのもいい。チルト式液晶もさまざまなアングルで役立つ。

 高画素化を果たしながら高感度特性も向上している。用途にもよるがISO1600~3200なら問題なく使用できるノイズ感ではないだろうか。それ以下ではほぼ無問題だ。

 単焦点レンズとの組み合わせは至福である。キレのある描写と高画素による連続感のあるボケを味わえるからだ。モデルの肌の描写も透明感があって美しく感じる。

 フレーム内に広くAF測距点があるので、歩きながらの撮影も容易である。フォーカスポイントの設定もクイックにできるので、撮影対象にあわせて臨機応変に対応できる。

 α7R IIの魅力を最大に引き出すには、やはり高性能な単焦点レンズが必須だろう。いいレンズはモデルの柔らかい肌の質感、細かい髪の毛の立体感を写し出してくれる。また上質なボケ味も魅力となるからだ。

 高感度特性も向上したので、F値が明るくない高倍率ズームレンズでも対応できる懐の広さがα7R IIの魅力だ。単焦点レンズ + 高倍率ズームの組み合わせで旅に出るのもよさそうである。

 雰囲気を的確に表現してくれるオートホワイトバランスも好印象だ。曇天の古い街並みに座り込むモデルの、微妙な存在感をうまく引き出してくれた。

 瞳が印象的なモデル、伊藤千晶さんの妖しい雰囲気を撮影。フルサイズならではの立体感と高画素による豊かな描写がα7R IIの魅力だ。いいレンズと組み合わせれば美しい写真を手にすることができるに違いない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150921-00000010-it_camera-prod

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